28年間グアムのジャングルで潜伏生活を送った横井庄一さん。帰国後に彼を待っていたのは、変わり果てた日本での孤独でした。そんな彼を救ったのは、一人の女性の献身的な愛でした。
この記事の目次
英雄として帰国するも「人間が怖い」
大東亜戦争でグアム島に派遣された横井庄一さんは、終戦を知らないまま28年間もジャングルでたった一人、戦い続けていました。帰国後は「英雄」として称賛されましたが、戦後の日本は彼が知っている故郷とは大きく変わっていました。経済成長に突き進む社会や、過熱するマスコミ報道、人々の好奇の目に晒され、彼は次第に「人間が怖い」と心を閉ざしてしまったのです。
- 横井さんは28年間、グアムのジャングルで孤独なサバイバル生活を送っていました。
- 帰国後の日本は高度経済成長の最中で、かつての日本人の精神性とは異なっていました。
- 好奇の目に怯え、誰のことも信じられなくなってしまいました。
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孤独な彼を救った妻・美保さんの存在
そんな失意の中にいた横井さんに、お見合いの話が舞い込みます。相手は幡新美保(はたしんみほ)さんでした。彼女は横井さんを「珍しい人」として見ることはなく、彼の抱える重い過去や沈黙にそっと寄り添いました。そんな彼女に対し、横井さんは「僕は一人で死ぬのは嫌だ、一緒に暮らそう」とプロポーズ。横井さん57歳、美保さん44歳で二人は結ばれました。
- 美保さんは、横井さんを好奇の目で見ることなく、その心に寄り添いました。
- 「一人で死ぬのは嫌だ」という横井さんの切実な言葉に、美保さんは頷きました。
- 人間不信に陥っていた彼が生きる力を取り戻せたのは、美保さんの優しさがあったからです。
【まとめ】心の平穏を取り戻した晩年
28年間の過酷な孤独と、帰国後の人間不信。そんな波乱万丈な人生を送った横井庄一さんが最後に求めたのは、英雄としての名声ではなく、ただ「おかえり」と言ってくれる人の存在でした。美保さんとの穏やかな日々こそが、彼にとって本当の意味での「戦後の平和」だったのかもしれません。
Q&A:よくある質問
Q. 横井庄一さんはどこの国で発見されましたか?
A. アメリカ領のグアム島です。ジャングルの中で穴を掘り、28年間生活していました。
Q. 帰国後の横井さんが苦しんだことは何ですか?
A. 戦前と大きく変わってしまった日本の様子や、マスコミや世間からの好奇の目に晒されたことです。これにより一時は「人間が怖い」と心を閉ざしてしまいました。
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