かっこいい武将の活躍ばかりが注目される戦国時代の合戦。しかし、その裏では戦場に残された死体の処理という、とんでもない問題が発生していました。
この記事の目次
勝者と「落ち武者狩り」による一次処理
戦が終わると、まず勝った側が戦場をチェックします。味方の遺体は丁重に埋葬し、敵の遺体でも名のある武将のものは、首を切って戦功報告(首実検)に使われました。しかし、無名の雑兵たちの死体は、当然そのまま放置されます。
- 次にやってくるのが、「落ち武者狩り」の農民たちです。
- 彼らは放置された死体から、鎧や刀はもちろん、時には褌(ふんどし)までも剥ぎ取っていきました。
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最終的な片付けは「農民」の仕事
丸裸にされ放置された死体は、カラスや野犬に食い荒らされます。やがて死体は腐乱し、土地を汚染し、疫病が流行る原因ともなりました。こうなると、結局一番迷惑を受けるのは、戦場となった土地の農民たちです。
- 農民たちは自分たちの生活を守るため、農作業を中断して腐乱した死体を片付けなければなりませんでした。
- 近くの寺で供養し、大きな穴を掘ってまとめて埋める、といった後始末を担っていたのは、戦とは無関係の農民だったのです。
【まとめ】合戦の後始末を担った農民たち
戦国時代の華やかな合戦の裏では、名もなき雑兵の死体は放置され、武具を剥ぎ取られた挙句、最後はその土地の農民たちが疫病を恐れて片付けていたのです。戦っていない農民たちが、戦の後始末という最も大変な作業を担っていたとは、なんとも皮肉な話ですね。
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Q&A:よくある質問
Q. 戦国時代の戦場の死体は、誰が片付けていたのですか?
A. 勝者が味方や有名な敵将の処理をしましたが、無名の雑兵の死体は放置されました。それらが腐乱して疫病の原因になるため、最終的にはその土地の農民たちが片付けや埋葬を行っていました。
Q. 「落ち武者狩り」とは何ですか?
A. 戦場にやってきて、死体や落ち延びる武士から鎧や武具、金品などを剥ぎ取っていく農民たちのことです。時には身につけている褌まで剥がしていったそうです。
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