第二次世界大戦中、アメリカで「史上最強」と呼ばれた伝説の部隊がありました。それは、敵国であるはずの日本人の血を引く、日系人だけで構成された「第442連隊」です。
この記事の目次
差別と偏見に立ち向かうための志願
1942年2月、ルーズベルト大統領の命令により、アメリカ全土で約12万人もの日本人や日系人が財産を没収され、強制収容所に入れられました。敵国・日本に対するアメリカ人の深刻な差別心を痛感した若い日系人たちは、自分たちの尊厳を守り、アメリカへの忠誠を示すために陸軍へ志願します。こうして結成されたのが、日系人のみで構成された第442連隊でした。
- 開戦後、アメリカ在住の日系人は「敵性外国人」として強制収容所に送られました。
- 彼らは差別や偏見を払拭し、日系人の地位を向上させるために自ら戦場へ赴きました。
「当たって砕けろ」壮絶な戦いと称賛
原爆を落とした男たち マッド・サイエンティストとトル-マン大統領 / 本多巍耀
彼らは「当たって砕けろ(Go for Broke)」を合言葉にヨーロッパ戦線に従軍し、激戦地に次々と派遣されました。その戦いぶりは凄まじく、2年間で約9,500人が死傷、部隊の死傷率は実に67.6%にも達しました。戦後、凱旋した彼らをトルーマン大統領は自ら出迎え、「あなた方は海外で敵と戦い、国内で偏見と戦い、そして勝利した」と最大級の賛辞を送りました。
- 14,000人の部隊の中で、4,000人以上が名誉戦傷章(パープルハート章)を受賞しました。
- その強さの秘密は、アメリカ人としての誇りと、日本人の親から教わった「最後までベストを尽くす」という大和魂にありました。
【まとめ】二つの祖国への想いが生んだ最強の部隊
第442連隊が「アメリカ史上最強」と呼ばれた背景には、過酷な差別の中で「日本人としての誇り」と「アメリカ市民としての義務」の両方を貫こうとした、彼らの強い意志がありました。彼らの命がけの戦いが、戦後の日系社会の地位向上につながったのです。
Q&A:よくある質問
Q. なぜ日系人がアメリカ軍として戦ったのですか?
A. 戦争により敵性外国人として差別され、強制収容された日系人たちが、アメリカへの忠誠心を示し、自分たちや家族の地位を守るためでした。
Q. 第442連隊はどれくらい強かったのですか?
A. 「アメリカ史上最強」と称されるほどで、多くの勲章を受章しました。しかし、激戦地に投入され続けたため、兵士の半数以上が死傷するという壮絶な犠牲も払いました。
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