【動画解説】なぜ日本の侍は「盾」を捨てたのか?|攻撃全振りのバーサーカースタイル

15/12/2025


 

コメントできるようになりました 織田信長

 

坂東武士A(モブ)

 

 

西洋の騎士が剣と盾を持つのに対し、日本の侍は盾を持ちません。その理由は、日本刀の特性や戦い方の変化、そして鎧の進化にありました。

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

姉妹メディア「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

yuki tabata(田畑 雄貴)おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、姉妹メディア「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


【誤植・誤字脱字の報告】 バナー 誤字脱字 報告 330 x 100



【レポート・論文で引用する場合の留意事項】 ほのぼの日本史レポート引用について



理由1:日本刀の重さと「切る」ための進化

幕末75-3_武市半平太

 

侍が盾を捨てた第一の理由は、日本刀の性能にあります。西洋の剣は「突く」ことに特化し、迅速な攻撃のために軽量化されました。対して日本刀は「切る」ことに特化しています。折れないように刃を厚くした結果、片手では扱えないほどの重さになり、両手で持つ必要が生じたため、盾を持つ手が塞がってしまったのです。

 

  • 西洋の剣は「突き刺す」ことに特化して軽く作られています。
  • 日本の刀は「切る」ことに特化し、刃を厚くしたため重くなりました。
  • その結果、両手で扱う必要があり、盾を持つことができなくなりました。

 

関連記事:鎌倉武士はただの野蛮人だった|暴力が支配した鎌倉時代の荒れた実態

 

 

 

はじめての鎌倉時代

 

 

理由2:騎射戦と鎧(よろい)による「完全防御」

鎌倉時代の侍(武士)

 

第二の理由は戦い方の歴史です。平安から鎌倉時代の侍は騎馬兵であり、主武器は弓でした。弓を扱うには両手が必要なため、盾は邪魔になり消滅していきました。第三の理由は鎧の進化です。日本の鎧兜(よろいかぶと)は、大袖(おおそで)や錣(しころ)、吹き返しといったパーツで全身を隙間なく守る「完全防御」の構造をしていました。盾がなくとも、鎧自体が強力な防御力を備えていたのです。

 

  • かつての侍は騎馬での弓攻撃が主体だったため、両手を使う必要がありました。
  • 日本の鎧は、肩、首、頭部、足など全身を守るパーツが充実していました。
  • 盾は前面しか守れませんが、日本の鎧は全身を防御できる構造に進化しました。

 

 

 

関連記事:時代により変化する「武士道」

 

元寇

 

 

【まとめ】西洋人を震え上がらせた「捨て身のバーサーカー」

 

 

侍はこれら3つの理由から盾を捨て、攻撃力に全振りするスタイルを確立しました。しかし、剣と盾の攻防に慣れた西洋人にとって、防御を捨てて両手で刀を振り回す侍の姿は、まるで捨て身の「バーサーカー(狂戦士)」のように映り、恐怖に震え上がったといいます。

 

関連記事:屈強な武士の強さの秘密は「世襲」だった!軍事貴族が誕生した理由

 

 

Q&A:よくある質問

画像利用について01 織田信長 はてな

 

 

Q. なぜ日本刀は片手で持てないほど重いのですか?

刀剣マニアな坂本龍馬

 

A. 「切る」ことに特化し、強靭さを求めて刃を厚く作ったためです。これにより重量が増し、両手で扱うことが基本となりました。

 

激動の幕末維新を分かりやすく解説「はじめての幕末はじめての幕末

 

 

Q. 盾を持たない侍は、どうやって身を守っていたのですか?

竹崎季長(鎌倉武士)

 

A. 「完全防御」とも言える進化した鎧(よろい)で身を守っていました。大袖、喉輪、草摺(くさずり)など、全身の急所を守るパーツが発達していたため、盾を持つ必要がありませんでした。

 

関連記事:バカ殿や暴君が現れてしまったら武士はどうしてた?武家社会に見られた慣行

 

 

▼ショート動画も毎日更新中!

ほのぼの日本史」YouTubeチャンネルもぜひチェック

 

ほのぼの日本史Youtubeチャンネル

 

 

-鎌倉時代