「平民宰相」として親しまれた原敬。しかし、彼が東京駅で暗殺された理由は、なんと犯人のとんでもない「勘違い」によるものでした。
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平民宰相・原敬を襲った悲劇
第19代内閣総理大臣・原敬(はらたかし)は、明治維新以降初めて爵位を持たない「平民宰相」として国民から高い人気を集めていました。しかし、1921年11月4日、京都での会議に向かうため東京駅を歩いていたところ、突如現れた男に短刀で刺され、その生涯を閉じました。
- 原敬は、日本初の爵位を持たない総理大臣として人気がありました。
- 1921年11月4日、東京駅の改札口へ向かう途中で襲撃されました。
- 犯人は大塚駅の駅員だった中岡艮一(なかおかこんいち)という人物でした。
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上司の愚痴を「暗殺指令」と勘違い!?
実はこの暗殺、犯人のとんでもない勘違いが引き金でした。犯人の中岡の上司は原敬が大嫌いで、日頃から「今の日本には武士道精神が失われた。皆、腹を切る(切腹する)と言うが、実際に腹を切った奴はいない」と愚痴をこぼしていました。これを中岡は「腹(原敬)を切る(殺す)」ことだと勘違いしてしまったのです。
- 犯人の上司は原敬が嫌いで、悪口を中岡に吹き込んでいました。
- 上司が嘆いた「腹を切る(切腹)」という言葉を、中岡は「原敬を斬る」ことだと誤解しました。
- その結果、「自分が腹を切ってみせます」と宣言し、犯行に及んでしまったのです。
【まとめ】言葉の綾が生んだ歴史的事件
一国の総理大臣が、たった一つの言葉の勘違いによって命を落とすという、あまりにも衝撃的でやるせない結末。歴史を動かす事件の裏には、時としてこうした信じがたい「誤解」が潜んでいることがあるのですね。
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Q&A:よくある質問
Q. 原敬を暗殺した犯人は誰ですか?
A. 当時、大塚駅の駅員をしていた中岡艮一(なかおかこんいち)という青年です。
Q. なぜ犯人は原敬を襲ったのですか?
A. 上司が武士道精神について語った「腹を切る(切腹)」という言葉を、「原敬を殺せ」という意味だと勘違いし、それを実行してしまったためです。
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