吉原の遊女にはランクがあった事は知られています。もちろん、妓楼にとっては上客をつかまえてお金を落としてくれる高級遊女を優遇していました。それは、時として命の選別にまで及んでいたのです。
この記事の目次
遊女の妊娠
避妊技術が進んでいない江戸時代、遊女の妊娠は日常茶飯事でした。妊娠すると普通の遊女の場合は、問答無用で堕胎させられていましたが、高級遊女の場合には堕胎はさせず根岸や箕輪にあった妓楼主の家で出産させた後で女の子なら母親同様に遊女にし、男の子の場合には仕事の邪魔になるので里子に出したりしたようです。
者忘八と呼ばれた妓楼主
ここにも、命の選別と言うシビアな遊郭の裏の顔がありました。妓楼主は、時として非情な措置をとったので、人間の八つの徳(忠義仁礼智悌考信)を欠いた者忘八と呼ばれたそうです。
参考
歴史と人物9 大江戸24時間(中央公論新社 編)2022/6/29