【動画解説】島流しは時代によって「天地の差」がある刑罰|天皇の娘に適用された人道刑から終身刑まで

14/12/2025


 

コメントできるようになりました 織田信長

 

後鳥羽上皇は佐渡島に島流し

 

 

日本で1400年も続いた刑罰「島流し」。時代によってその目的と過酷さが大きく異なっていました。奈良時代の人道的な刑罰から、江戸時代の「終身刑」まで、その変遷を解説します。

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

姉妹メディア「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

yuki tabata(田畑 雄貴)おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、姉妹メディア「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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古墳・奈良時代は「人道的」だった島流し

 

島流しが日本の刑罰として始まったのは、古墳時代の5世紀頃です。最初に島流しになったのは、なんと雄略天皇の娘でした。彼女は兄との密通(近親相姦)という罪状で、近畿から四国へ流されています。奈良時代になると、唐の律令をモデルに大宝律令が整備され、島流しは罪の重さに応じて「遠流(おんる)」「中流(ちゅうる)」「近流(ごんる)」に分けられました。

 

 

  • 最初の島流しは古墳時代(5世紀)に始まり、雄略天皇の娘が適用されました。
  • 奈良時代の島流しは、殺人、国家反逆、窃盗などの罪に適用されました。
  • 一定の年数、島で働けば釈放されて故郷に戻ることができ、比較的人道的な刑罰でした。

 

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大和朝廷

 

 

 

平安〜江戸時代に「帰れない終身刑」へ変貌

北条義時 vs 後鳥羽上皇(承久の乱)

 

平安時代から鎌倉時代に入ると、島流しの性格は大きく変化します。この時代、島流しは主に政争に敗れた貴族や上皇の排除目的で適用されるようになり、流された人物は政治的な影響力を削ぐために「死ぬまで帰れない」という、事実上の終身刑となりました。

 

  • 平安・鎌倉時代には、政敵の排除手段となり、流人は帰ることが許されなくなりました。
  • 戦国時代には、島流しの途中に罪人が農民に金目当てで殺される事件も発生しました。
  • 江戸時代には、8代将軍徳川吉宗が島流しを「遠島」と改名し、「故郷に帰れない終身刑」と明確に定義され、絶望した罪人が脱走し命を落とすこともありました。

 

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北条義時

 

 

【まとめ】1400年続いた刑罰の終焉

 

古墳時代から明治時代まで、約1400年間も続いた島流し。その時代ごとの政権や社会情勢によって、刑罰の目的や過酷さが大きく変わってきたことが分かります。非人道的な面が強まったことから、明治時代に入り、島流しは懲役刑へと変更され、その歴史に幕を閉じました。

 

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Q&A:よくある質問

画像利用について01 織田信長 はてな

 

Q. 古墳時代に最初に島流しになったのは誰ですか?

日本史02 徳川家康のポイント解説

 

A. 雄略天皇の娘です。罪状は、兄との密通(近親相姦)でした。

 

 

Q. 江戸時代の「遠島」はどんな刑罰だったのですか?

日本史01 織田信長のポイント解説

 

A. 8代将軍徳川吉宗によって定められた、故郷に帰ることが許されない、事実上の終身刑でした。

 

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