【動画解説】日本人が誤解しているパール判事の「日本無罪論」|東京裁判で彼が裁こうとした本当の対象

16/12/2025


 

コメントできるようになりました 織田信長

 

kawauso編集長

 

東京裁判で唯一「日本無罪」を主張したインドのパール判事。彼が本当に裁こうとしたのは、被告人席の日本人ではなく、勝者が敗者を裁く「東京裁判そのものの正当性」でした。

 

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

姉妹メディア「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

yuki tabata(田畑 雄貴)おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、姉妹メディア「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


【誤植・誤字脱字の報告】 バナー 誤字脱字 報告 330 x 100



【レポート・論文で引用する場合の留意事項】 ほのぼの日本史レポート引用について



パール判事が裁いたのは「日本」ではない

 

東京裁判において、判事たちの中で唯一の国際法の専門家であったインド代表のパール判事。彼は、戦勝国である連合国側の判事たちの中で唯一「被告人全員無罪」という判決を下しました。多くの日本人はこれを「日本は戦争で悪いことをしなかった」という意味だと捉えがちですが、パール判事の真意は少し違います。彼が焦点にしたのは、日本という国そのものではなく、「東京裁判という裁判自体が法的に正当であるかどうか」だったのです。

 

  • パール判事は、東京裁判の判事の中で唯一の国際法の専門家でした。
  • 彼の主張は「日本は悪くない」という単純な擁護ではなく、「この裁判の前提が法的に成立していない」という法的根拠に基づくものでした。

 

関連記事:東京裁判(極東国際軍事裁判)とは?誰が起訴されどんな理由で裁かれたの?文明の裁きの真実

 

 

 

あり得ない「共同謀議」を徹底的に論破

 

連合国側は、A級戦犯28名を「1928年から1945年までの17年間、一貫して侵略戦争を共同謀議(共謀)し、実行した」として「平和に対する罪」で裁こうとしました。しかしパール判事は、これに真っ向から反論します。被告とされた28名の中には、互いに一面識もない者や、政治的に対立していた政敵同士も含まれていました。そんな彼らが17年もの長きにわたり、一貫して侵略戦争を企むなどということは、現実的にあり得ないからです。

 

  • 検察側は「28名が17年間ずっと協力して侵略戦争を計画した」と主張しました。
  • しかし、被告人たちの中には面識がない者や対立関係にあった者もおり、共同謀議は不可能でした。
  • パール判事は、文庫本で1334ページにもなる膨大な判決書の8割を費やして、この「共同謀議」の事実が存在しないことを証明し、東京裁判の無効を主張しました。

 

関連記事:玉音放送とは?戦争を終わらせた昭和天皇の肉声の全貌に迫ってみた

 

 

 

【まとめ】法の専門家としての「無罪」判決

 

パール判事が出した「日本無罪」とは、日本が行った行為の是非を問う以前に、そもそもこの裁判の起訴内容(共同謀議)に無理があり、裁判として成立していない(無効である)という、法の正義に基づいた結論だったのです。

 

 

Q&A:よくある質問

読み書きができた紫式部(はてな)

 

Q. パール判事はどこの国の人ですか?

日本史01 織田信長のポイント解説

 

 

A. インド代表の判事です。東京裁判の判事団の中で、唯一の国際法の専門家でもありました。

 

 

Q. なぜパール判事は全員無罪としたのですか?

日本史02 徳川家康のポイント解説

 

A. 日本を擁護したというよりも、検察側が主張した「被告人たちが17年間にわたり侵略戦争を共同謀議した」という事実が証明できず、裁判の根拠そのものが成立しないと判断したためです。

 

 

▼ショート動画も毎日更新中!

ほのぼの日本史」YouTubeチャンネルもぜひチェック

 

ほのぼの日本史Youtubeチャンネル

 

 

-昭和時代
-