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乙丸や百舌彦はどこに住んでいたの?[NHK大河ドラマ光る君へ予備知識]

07/06/2024


紫式部(女性)

 

 

NHK大河ドラマ「光る君へ」辛い展開になる事も多い今回の大河の癒しは主人公、まひろの従者、乙丸や道長の従者百舌彦でしょう。主人公たちが偉くなっても、昔と変わらず主人に忠誠を尽くしてくれる2人はドラマのオアシスです。でも、乙丸や百舌彦はどこから、それぞれの主人の下へ通ってきているのでしょうか?

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

姉妹メディア「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

yuki tabata(田畑 雄貴)おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、姉妹メディア「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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貴族に雇われて生きていた平安京の庶民

長安(俯瞰で見た漢の時代の大都市)

 

 

平安中期の平安京には増減はありますが、10万から20万の人々が暮らしていました。その中で貴族階級は2000人程度であり、残りは庶民だったようです。では、人口の99%を占める庶民はどうやって生活をしていたのでしょうか?実は驚くべき事に平安京の人口の99%を占める庶民は、すべて貴族に雇われて生きていたようです。

 

 

平安京には産業がない

朝廷(天皇)

 

平安京は794年に都に定められ、以後千年以上も日本の首都でしたが、通常の都市と違い、自然に人が集まって大きくなったのではありません。何もない平地にいきなり首都を建設し、そこに数千人の役人や貴族、僧侶を入れたのが最初です。そのため、平安京には産業らしい産業がなく完全な消費都市でした。それが可能だったのは平安時代の日本が中央集権制を敷いていて、国司を通じて全国から富が租税として集まっていたからでした。貴族は、全国から集まった租税から給与をもらい、その給与で生活していましたが、平安京の周辺に住む庶民は貴族に雇われ牛飼いや護衛、細々した雑用仕事をしていたのです。まひろや道長の従者である乙丸や百舌彦も貴族に雇われて生活している労働者だったのでしょう。また、男性だけではなく女性も炊事や洗濯、子守などで貴族に雇われていました。

 

 

大貴族の屋敷の周囲に小さな小屋

編集長kawauso日記02 kawausoさん

 

では、そんな労働者である乙丸や百舌彦はどこに住んでいたのでしょうか?文献によると、当時、平安京の大貴族たちは自分たちに仕えている従者のために、屋敷の周辺に土地を購入し、そこに掘っ建て小屋のような小さな小屋を何百と用意していたようです。小屋の面積は十二畳から六畳、そんな小さな部屋に庶民たちは家族と肩を寄せ合って暮らしていました。大貴族たちは、屋敷の近くに従者を囲い込む事で、いつでも必要な時に従者を呼び出せるように工夫していたのかも知れません。

 

 

貴族に優遇され処罰もされた使用人

悪党(鎌倉)

 

 

そんな大貴族に雇われた使用人たちは、時に大貴族の権力に守ってもらえることもあったようです。庶民とはいえ、ウチで働いている人間に無礼を働く事は許さんという事でしょうか?逆に使用人が何らかの罪を犯した場合、治安を担当する検非違使ではなく、その使用人を使っている貴族が捕まえて、検非違使に引き渡す義務がありました。そう考えると、左大臣藤原道長の使用人である百舌彦は、まひろの使用人である乙丸よりも立場が上という事になったかも知れませんね。

 

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カワウソ編集長

カワウソ編集長

日本史というと中国史や世界史よりチマチマして敵味方が激しく入れ替わるのでとっつきにくいですが、どうしてそうなったか?ポイントをつかむと驚くほどにスイスイと内容が入ってきます、そんなポイントを皆さんにお伝えしますね。日本史を勉強すると、今の政治まで見えてきますよ。
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