現在、料理が出来る男子は女子にモテモテだそうです。少し前まで「男子厨房に入るべからず」と言って料理が出来ない事が男の自慢のように考えられていましたが価値観は変われば変わるものです。
しかし、本来「男子厨房に入るべからず」とは料理なんてつまらない仕事は女にさせておけという意味ではありませんでした。男子厨房に入るべからずは孟子の梁恵王伝にあり慈悲深い君子が殺される家畜を可哀想に思って肉食禁止令を出したら庶民が困るので、君子は厨房には入れるなという意味でした。
そればかりか、古来、日本では男子が厨房に立つのは積極的に勧められてもいたのです。悪左府として有名な藤原頼長の台記には早朝に宇治川で網代漁を見物し京都に戻ってから漁で獲った魚をその場で調理するイベントがあり包丁人として、源行方が見事な包丁捌きで鯉を捌いて皆が感嘆した事が書かれています。
また刑部卿家長こと、藤原家長は四条流包丁道の伝承者で鳥羽上皇の御前で包丁をふるったというような記録もあります。このように男が料理をするのは卑しいなどというのは、日本の伝統ではなくむしろ逆で料理が出来る男は賞賛され出世の糸口にもなったのです。
こちらもCHECK
-
どうしてお節料理にゴボウが入っているのか?
続きを見る