江戸時代、「伊勢参り」は信仰という枠を超え、年間500万人が参加する全国民的な「旅行ブーム」となっていました。
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年間500万人が参加した「伊勢参り」
江戸時代の伊勢参りはとにかく大人気で、年間500万人もの人々が伊勢へ向かって大移動しました。当時の日本の人口が約3000万人なので、実に人口の6人に1人が参加していた計算になります。
- お参りには往復で約2週間かかり、移動は基本的に徒歩でした。
- 当然、旅にはお金が必要になるため、人々は「講(こう)」と呼ばれるお金の積立制度を利用して旅の資金を準備していました。
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お金がなくても行けた「おかげ犬」
驚くべきことに、当時はお金がなくても伊勢参りに行く方法がありました。それが「おかげ犬」です。飼い主の代わりにお金が持てない犬にお参りを頼むこともあり、首に木札を下げておけば、道中の人々が親切にエサや寝床を提供し、犬は無事にお札をもらって故郷に帰ってきたといいます。
- 伊勢神宮までの道中は、毎日多くの人出でごった返していました。
- しかし、当時の商売人たちは、宿泊費や食料品、お土産を値上げすることなく、常に一定の価格で提供していました。
- 一般の家でも、お参りの人にお風呂を貸すなど、旅人に対して非常に親切だったようです。
【まとめ】旅人同士が助け合う、心温まる旅だった
江戸時代の伊勢参りは、ただ楽しいだけの旅行ではありませんでした。道中の人々が旅人を温かく迎え入れ、助け合う、日本人の人情を体験できる心温まる旅でした。こうした体験が感激を呼び、多くのリピーターを生んでブームが続いていったのです。
Q&A:よくある質問
Q. 江戸時代、伊勢参りにはどれくらいの人が行っていたのですか?
A. 年間約500万人が参加していました。これは当時の日本総人口(約3000万人)の、実に6人に1人にあたる規模です。
Q. お金がなくても伊勢参りに行けたのですか?
A. はい。「おかげ犬」といって、犬にお参りを託す方法がありました。犬の首に木札を下げておくと、道中の人々がエサや寝床を無償で提供し、犬がお札をもらって帰ってきたとされています。
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