江戸時代が使えるモノは完全に仕えなくなるまで使い倒すリサイクル社会だった事は知られています。これは何も、江戸の人々が環境意識が強かったというより、大量生産が出来ない分、品物が全体的に割高で新しく購入するより修理して使う方が合理的だったからです。
そんなリサイクルショップには武家を相手にする献残屋という商売がありました。江戸時代には、賄賂と礼物が明確に区別されていないので武士でも幕府の要職を占めるとあちこちから礼物感覚で献上品が届きます。
使えるモノはそのまま使いますがダブった献上品をそのまま置いても邪魔なだけなので、これを献残屋に売り換金していたのです。献残屋は市販価格よりも安く献残品を販売するので、献上品をお安く済ませたい人は、献残屋で贈答品を身繕います。
こうして、誰かの献上品は献残屋を介して巡り巡り、リサイクルしていったのです。
出典:日本人なら知っておきたい 江戸の庶民の朝から晩まで KAWADE夢文庫
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