明治10年の西南戦争は明治政府の勝利に終わりますが、戦争鎮圧までに費やした費用は、4156万7727円で現在価格で9040億円相当の膨大な金額でした。
この戦費を賄う為に政府は不換紙幣を濫発し物価は急速に値上がりしてインフレーションを招きます。しかし、インフレにより地租に苦しんでいた農民は、相対的に納税額が低下。収入に余裕が出来た事で各地の豪農が自由民権運動に参加します。
こうして、士族中心の自由民権運動に農村の豪農が加わる事になり、運動自体は全国に拡大国会開設や地租軽減、民力休養を求める大きなううねりへと発展していきました。
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