卑弥呼で有名な「倭国」と、後の日本を作る「大和朝廷」。この二つは別の国だったのか、それとも同じ国が進化したものだったのか？古代日本の謎に迫ります。
監修者
kawauso 編集長（石原 昌光）
姉妹メディア「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。
コンテンツ制作責任者
おとぼけ（田畑 雄貴）
PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、姉妹メディア「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。
この記事の目次
倭国と大和朝廷、それぞれの定義とは？
「倭人」とは、『漢書』や『魏志倭人伝』などの古代中国の史書に登場する「倭国」に住む人々のことです。倭国は3世紀頃、北九州などに存在した複数の小国の集まり、あるいはその中心的な国家を指し、有名なのが卑弥呼が治めた邪馬台国です。一方、「大和朝廷」は奈良盆地を中心に強大化した古代の政権で、5世紀頃には周辺地域を支配下に置き、日本国の基礎を築いたとされています。
- 倭国：3世紀頃、北九州などに存在した小国の連合体。邪馬台国の卑弥呼などが有名です。
- 大和朝廷：奈良盆地を中心に発展し、5世紀頃に日本の基礎を築いた政権です。
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滅ぼされたのか？発展したのか？有力な説は…
では、その後「倭国」はどうなったのでしょうか？大和朝廷に滅ぼされ、併合されたのでしょうか？これには、倭国が大和朝廷へと発展したとする「連続説」と、大和朝廷が倭国を滅ぼして取って代わったとする「征服説」があります。しかし、現在の学説では、征服説の証拠は乏しく、「倭国が時間をかけて大和朝廷へとアップデートした」という説が有力視されています。
- 考古学的には、3世紀の吉野ヶ里遺跡など九州勢力が徐々に衰退する一方で、奈良の纒向（まきむく）遺跡や古墳群が発展していったことが分かっています。
- このことから、九州で栄えた倭国の勢力が、時間をかけて畿内の大和朝廷へと移動・統合していったと考えられています。
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【まとめ】倭国から日本国へ、緩やかな移行
かつては「大和朝廷による征服」というイメージもありましたが、現在では倭国から大和朝廷への移行は、比較的緩やかに行われた「アップデート」のようなものだったと考えられているようです。日本のルーツは、断絶することなく古代からつながっていたのですね。
Q&A：よくある質問
Q. 倭国と大和朝廷は別の国ですか？
A. 完全に別の国というよりは、連続性があるものと考えられています。倭国の勢力が中心となって、より広域を支配する大和朝廷へと発展していったという説が有力です。
Q. 卑弥呼の邪馬台国はどうなったのですか？
A. 詳細は不明な点も多いですが、九州で栄えた勢力が次第に畿内（奈良）へ移動し、大和朝廷の成立に関わっていったと考えられています。
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