晩年の海舟は、よく使用人を1人つれて出歩く事がありました。ある年の冬、海舟は外套を着て新橋の骨董屋に出向きますが、生来小柄な海舟が大きな外套を着ているので骨董屋の主人夫婦は、海舟が泥棒でもするのではないかと疑い終始、海舟の動きを監視していたそうです。
しかし、海舟は少しも気づかずに外套の袖からちょいちょい手を出して品定めをした後骨董屋を出ると「あの家の者は終始俺の顔ばかり見ていたが俺を知っているのかしらん」と使用人に聞くと
「いえ、少しばかり変に思っていたのでしょう」と言われ「俺を泥棒と思っていやがったか!」と大笑いしたそうです。
参考文献:海舟座談
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