時代劇に詳しい人なら、八丁堀が何の意味かお判りでしょう。そう、中村主水でお馴染みの町奉行所の同心の別名です。もともと八丁堀とは、京橋川、楓川、日本橋川、亀島川に囲まれたエリアで長さ八丁(870m)の港があったので、その名がついています。
同心とは?
同心とは戦国時代には与力と呼ばれる騎兵の下につけられた足軽でした。つまりは下級武士なんですが、市中を見回る仕事についている関係上、トラブルを恐れる豪商や諸藩から「何かあったらよろしく」と付け届けも多く実収入の数倍に達する同心もいて、妻以外にも愛人を数名抱えるなど裕福で羽振りがよくオシャレな人も多かったようです。
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同心の臨時収入
また、当人が付け届けを取らなくても与力や奉行あてに付け届けがあると全員に平等に分配されたそうで、これも臨時収入になりました。そんな同心ですが実は一代限りの身分で世襲は許されない事になっていて、代替わりすると新規召し抱えとして扱われていました。
ところが、犯罪捜査の性質上、同人のノウハウを親から子に継がせる方が都合がいいので事実上は形骸化して世襲の仕事になっていました。有名な岡っ引きも実は幕府からの給料はなく、同心が雇ってポケットマネーを出しています。通常、同心は1人につき数名の岡っ引きを従えていて同心の裕福ぶりがわかります。
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江戸時代ライターkawausoの独り言
中村主水も必殺シリーズでは頻繁に袖の下をもらっていましたが、羽織は色落ちしてくたびれ、いつもうどんばかりを食べていて全然裕福そうには見えません。あれは嫁と姑に巻き上げられていたんですかね?
参考文献:
歴史と人物9 大江戸24時間 / 中央公論新社 (2022/6/29)
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