21世紀の現在、よほどの大金持ちじゃない限りは一切のローンを利用した事がないという人はいないでしょう。住宅ローン、自動車ローン、学資ローン、はては消費者金融に至るまで、日本人は生涯、なんらかのローンの世話になる事になります。しかし、日本人がローンに親しんだのは何もここ最近の話ではなくその起源は鎌倉時代にまで遡るのです。
鎌倉時代の給与体系
鎌倉時代の昔、多くの人々の収入は年俸制でした。日本では10月に秋の収穫があり、その収穫物を元に経済が回っていたのです。しかし、この年俸制はなかなか大変で、病気をしたり冠婚葬祭が重なると「秋まで半年もあるのに、もうお金がない」という事が度々発生しました。そこで庶民が頼りにしたのは土倉と呼ばれた金貸しでした。
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鎌倉時代の庶民は土倉で借金をする
お金に困った庶民は土倉で借金して急場をしのぎ、秋になると利子をつけて土倉に返済するようになっていたのです。しかし、土倉にお金を返済すると、その分のお金が収入から減ります。収入が増加していればいいですが、そうでない場合には、また途中でお金が足りなくなり土倉の世話になります。こうして、鎌倉時代の末期には、庶民の生活に土倉が欠かせなくなったのです。しかし土倉が営業できるのは世の中が平和な時だけ鎌倉末期になると、政情不安から土倉の営業が不安定になります。
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鎌倉ライターkawausoの独り言
それからしばらくして足利尊氏が室町幕府を開府しますが、その政治方針を記した建武式目には、営業が停止している土倉の復興を明記しているほどでした。日本人は遥か鎌倉時代からローン生活に馴染んでいるんですね。
参考:徳政令 なぜ借金は返さなければならないのか (2018/8/22) 講談社
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