大河ドラマ、鎌倉殿の13人を皆様も見ているでしょうか?この「鎌倉殿の13人」の主人公は鎌倉幕府第二代執権・北条義時が主人公。その主人公である北条義時の姉が北条政子、なのですが。
北条政子のイメージとちょっと違―う……なんて思った人もいるのではないでしょうか。今回はそんな北条政子を、大河ドラマ、歴史と同時に触れつつも、ドラマに置ける演出について話してみたいと思います。
この記事の目次
史実の政子は尼将軍のアイコン
さて世間一般、歴史上の北条政子のイメージと言えば、尼将軍でしょう。剃髪して、お顔が真っ白な尼将軍北条政子の姿、皆様も覚えがありませんか?
そう、歴史上の人物北条政子、として学習すると、この姿が記憶に焼き付くと思います。それはおかしなことではなく「歴史を学ぶ」ことで鎌倉幕府を勉強する上で、北条政子だけに集中して学ぶことはできませんからね、基本的な歴史としては、誰しもが広く浅くなってしまうのは仕方のないことだと思います。
こちらもCHECK
-
ドロドロ愛憎の八重姫と北条政子がここまで成長!源氏と北条の家を支え共感した2人に拍手
続きを見る
嫉妬深く強すぎる女として悪女と呼ばれる政子
ではそこから北条政子に何らかの興味を感じて、より深く知りたい!となっていくと、どんなイメージが生まれるか。まず思いつくこととして、気が強く、嫉妬深い、という点が出てくると思います。
大河ドラマでもありましたが、亀の前襲撃事件、いわゆる「うわなり打ち」の場面です。
そうでなくても権力者は子を残すことが大事な時代、浮気、自分以外の女性を囲うことを許さない、更には報復をする北条政子の姿は、先の尼将軍の姿とも相まって「強い女性」として根付いてしまうのではないかと思います。
こちらもCHECK
-
北条政子だけじゃない!愛人の家を壊す日本の奇習うわなりうちとは?【鎌倉殿の13人】
続きを見る
でも、嫉妬深く強い政子にも理由があるのでは?
これらを統合することで、北条政子のイメージが「悪女」とされてしまうこともあります。特にこれには前述した、自分以外の女性が源頼朝の傍に居ることを許さない、嫉妬深い女性としてのイメージが一躍買ってしまったのではないでしょうか?
言ってしまうと「嫉妬深さで夫の子供が多く作られることを拒否して、それが鎌倉幕府の衰退に繋がった(かもしれない)」という姿が、北条政子を悪女、として認識させてしまったのだと思います。ですが、これらのイメージを打ち払おうとしたのが今回の大河ドラマ、北条政子の姿だと思うのです。
こちらもCHECK
-
伊賀の方はどんな人?北条政子と張り合った悪女で義時を毒殺した噂も【鎌倉殿の13人】
続きを見る
最初に洗練されたイケメン頼朝が好きな田舎娘政子が描かれる
さて鎌倉殿の13人の初期の北条政子の姿を振り返ってみましょう。何とも純朴な、綺麗だけど田舎出身の娘特有の、都会に憧れて、恋に憧れて、素直に過ごしている北条政子の姿がそこにはありました。
寧ろこの辺りは歴史で見たことのある北条政子のイメージだけでみると、ちょっとびっくりの場面ですよね。まぁそのまま純粋な娘さんのままではなく、色んな出来事に直面していくのですが……それこそが今回の狙いではないかと思います。
こちらもCHECK
-
源頼朝の最初の妻は北条政子ではない?謎の「八重姫」とは?
続きを見る
過酷な現実を前に純朴な田舎娘ではいられなくなる
このようなことは読者の皆様も百も承知のことと思いますが、物語は読者があってこそです。そして読者が物語に入っていけるようにするにはどうするか、それには色々な手法がありますが、一つ大事なことを言うとするならば「キャラクターを好きになる」ことがあるのではないでしょうか。
余りにもダーク面が強すぎたり、徹頭徹尾ヒレツ!ヒキョウ!ゲス!情けない……つまりは、好意が抱けないような演出とキャラクターではそのキャラクターを好む要素がなくなる、ことは避けるべきであると思います。
こちらもCHECK
-
源頼朝と北条政子の娘大姫・幼いながらに助命嘆願を行った点を考察
続きを見る
運命に抗い流され変わっていく政子を描き共感を集める
さて今回の大河ドラマの鎌倉殿の13人、主人公は北条義時、そして北条政子はその姉です。歴史を良くご存知の方々は、これから源頼朝以上にこの二人の出番が多くなることは察していらっしゃることでしょう。
そのメイン二人に視聴者の悪感情が向かないような形に、今回の大河ドラマは構成されていると私は考えています。それこそが、初期の北条政子の姿であると思うのです。
日々成長していく政子としての姿を描いているドラマ
当初こそ純朴な田舎娘であり、政治のどうたらは良く分からず、ただ女性として愛する人と一緒にいたい、そして愛する人を愛しているだけの北条政子の姿が。多くの人に触れ、関わりを持ち、そして変化していく。
最初から強い女性ではなく、最初から完璧な人物ではなく、等身大の人間から歴史的な人物への変化。この過程を見ていくことでより「北条政子」に、初っ端から北条政子を学ぶ歴史の勉強ではなく、演出を入れていくことで好意を抱き、そしてドラマに引き込まれていく、それを今回の大河ドラマではより、強く感じることとなりました。
実に今後の、より辛い、苦難の連続が楽しみでもありますね。
こちらもCHECK
-
北条政子と八重殿『二人の女性の描き』が鎌倉殿の13人の魅力
続きを見る
鎌倉ひよこライター センのひとりごと
まあ成長してく姿を描くとなると、どうしても苦しみ、難所の乗り越え、辛すぎる別れなどは付き物ではある訳で。そして何よりも、これからの展開で避けては通れないような悲痛な出来事も多い訳でして。
更に言うならば、どんどんと変化していく北条姉弟の姿もまた見ていて苦しくもあるのですが。そういった意味も含めて、実に引き込まれる大河ドラマとなっているなぁ、なんて感じた筆者でした。
ちゃぽーん。
こちらもCHECK
-
「伊豆山神社の歴史」源頼朝と北条政子の二人を結んだ神社
続きを見る