平安時代に流行ったものにはどのようなものがあったのでしょうか?
この記事では、平安時代における流行の特徴や代表的な流行物について解説します。着物や髪形、食べ物など、当時の人々が注目したモノやトレンドを紹介します。ぜひこれらを取り入れて、平安時代の最先端としての生活をしてみてはいかがでしょうか?と、冗談はこれくらいに、まずは平安時代の文化に付いて見ていきましょう。
この記事の目次
平安時代の有名な文化、有名な作品一覧
平安時代の有名な文化作品として、以下のものたちが挙げられます。
・源氏物語
・古今和歌集
・土佐物語
・枕草子
・伊勢物語
その他にも竹取物語や、日本版シンデレラと名高い落窪物語などなど……挙げればきりがありません。
このように、平安時代とはある意味で、文学作品が発展していった時代とも言えます。平安時代では唐の文化と日本の文化が融合され、日本独自の文化が発展した時代なのです。これらの物語は現代で触れてみても面白いだけでなく、当時の歴史がどのようなものであったのか深く知ることのできる歴史的価値の高い作品ともされていますね。
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平安時代の貴族はどんな暮らしをしていたのか?
さあ平安時代、と言われるとやはり貴族のことが真っ先に思い浮かびますね。最近では大河ドラマ、『光る君へ』もあって、その生活がどのようなものであったのか触れる機会も増えていることと思います。貴族の住んでいる住居はとにかく大きく、広く、庭付きの造りとなっていました。ただ現代とは違い、壁に当たるものは殆どなく、御簾などで仕切りを作って生活していたとされています。部屋の壁が近くて圧迫感~というのは、平安時代の貴族にはあまりない感覚だったのでしょうね。
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対して庶民は?平安時代の庶民の住居はどんなものか
では、大きな家に広々と住んでいた平安時代の貴族に比べて、平安時代の庶民はどのような住居に住んでいたのでしょうか。皆さん、竪穴住居というのをご存じでしょうか。
「え……縄文時代……?」と思われるかもしれませんが、平安時代の庶民はこの竪穴住居に住んでいました。また中には貴族のお屋敷に住み込みで働くために住んでいるなど、あまり庶民の生活はそれ以前までとは変化がなかったようです。平安時代の記録を見ると分かりますが、多くの場合は「貴族の生活」の記録が多く、庶民についてあまり触れてはいないのですよね……貴族の発展、それが平安時代の注目ポイントであるのかもしれません。
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平安時代に流行ったもの!貴族が生み出した様々な文化
ここで平安時代の流行も追っていきましょう。平安時代のトレンドと言えば、男女ともに「良い香り」というポイントが挙げられます。まだまだ湯あみが一般的でなく、またトイレも水洗などとは程遠いため、それを誤魔化すため……とも言われていますが、香合わせなどの遊びが始まったのもこの頃。
紫式部の源氏物語の宇治拾遺物語では、「生まれつき体から芳香がする」薫の君という人物が出てくるなど、貴族が香りに注目していたことが分かります。また髪型、特に女性はストレートヘアが主流であり、清少納言が癖っ毛で悩んでいたというのは有名。着物では貴族の女性が着る十二単という華やかな衣装から、男性の動きやすさ重視の狩衣など、美しさから機能面まで、様々な用途によって用いられていたことが分かります。
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平安時代に愛されたお菓子!流行りのスイーツ「蘇」とは
そして重要なのが甘味、当世風に言いますとスイーツ!
現代のおはぎの原型は既にあったとされ、また干し柿などの果物など、また文学からも読み取れるのが、枕草子に出てくるけずり氷、源氏物語にでてくる椿餅など、今とは違うものながら、様々なお菓子が貴族の間では賞味されていたとされています。
個人的に注目するのが、牛乳を煮詰めて作ったとされる、現代でも一時注目された「蘇」。筆者も拙いながら作ってみましたが、不思議なことに牛乳をただ煮詰めただけなのに不思議な塩味を感じ、味わい的にはチーズとバターの境目で、蜂蜜をかけて食べると非常に美味でした。この蘇から「醍醐」というものが作られ、史上のおいしさとされ、天皇の名にも用いられているのは、かなり興味深い所ですね。
平安時代のごはんは?一日何食だった?
お菓子ばかりも何なので、食事、ご飯に付いても触れていきましょうか。平安時代、貴族も庶民も、食事は一日に二回でした。ただ早朝から働く役職、肉体労働者たちはそれに加えて一度、軽食を取っていたともされています。労働強度によって食事の内容は変わる、これは現代にも通じますね。しかし貴族は何品も膳に並べられていたようですが、庶民はそうではなく……。
平安時代、庶民のごはんのポイント!
庶民のごはんは主に米、汁物、塩、といった粗末なもので、白米ではなく粟や稗など、雑穀主流だったとされています。ただ肉類を一切食べていなかったのかとなると、少々疑問が。実は仏教伝来によって平安時代に庶民の肉食が禁止されたとのことですが、そもそも食べる習慣がなければ禁止されるということはないでしょう。また平安時代末期にできた今昔物語では、庶民が肉を買いに行く描写があります。これらを統合すると、多少なりともタンパク質と呼べる肉や魚も取っていたのでは、というのが筆者の見解です。
とは言え、華やかに見える平安貴族に比べ、庶民の生活はかなり質素なものであったとも思われます。それを乗り越えた次の時代が鎌倉時代と考えると……庶民も「力」を付けることが必要とされていたのでは?と思いますね。
三国志ライター センのひとりごと
平安時代、文学が発展したこともあって華やかな時代と思いますが、その一方で庶民の生活はあまり記録されていないなど、明暗分かれる時代、といった印象が強くあります。それは大河ドラマなどでも伝わってきますね。所で皆さんは現在の大河ドラマ「光る君へ」はご覧になっていますでしょうか?筆者は毎回悲鳴を上げ、嗚咽を漏らしとひどい有様でございます。ドラマではありますが、「ここからあの源氏物語が生まれるのか」と逆転してみると実に発見が多い今回の大河ドラマ。
この機会に源氏物語と合わせて、楽しんでみてはどうでしょうか。どぼーん。
参考:中嶋尚志「木が創った国」
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