ほのぼの日本史及びはじめての三国志の読者の皆さんこんばんはカワウソ編集長です。皆さんはデジタルの日をご存じですか?
デジタルの日とは?
デジタルの日は2021年にデジタル庁が制定した記念日で、毎年10月の第1日曜日と月曜日がその日に当たります。その狙いは、官民で連携しデジタル関連の技術・サービスを利用した様々な取組を実施し、社会のデジタル化に向けた機運の向上に取り組む事です。
インターネットが世界に開放されてより、人類はネット環境があれば、世界のどこで起きた事件も瞬時に知る事が出来るようになりました。もちろんインターネットには光だけではなく、影の部分もありますが、本来、一部の人間しか知りえなかった事や事件が起きた場所、目撃した人以外に知りようがなかった事象を不特定多数の人間が瞬時に知りえるというのは、15世紀グーテンベルグによる活版印刷の発明以来の大事件でしょう。
私たちの社会は科学技術の急速な進歩により、特に先進国に属する人々は富と繁栄を享受できています。ところが同時に増えすぎた人口に起因する環境破壊が、一つしかない母なる星、地球を蝕んでもいます。
この問題は、単純に環境破壊を止めれば食い止められるというものではありません。環境破壊に至る過程には様々な問題が絡み合っているからです。資本主義が抱える問題や南北の経済格差、政治体制の問題、農業技術の不均衡、病気、貧困、ウイルス等、ひとつひとつの問題に真摯に向き合い丁寧に解決していかないと人類の将来は暗いものとなるでしょう。
70億人に達した人類が一つしかない地球の資源を分け合い幸福に暮らしていく術をSDGsと言います。では、我々が持続可能な社会を築くためにはどうすればいいのでしょうか?1つには様々な実験があります。そして、もう1つは先人たちが実践してきた地球環境との付き合い方を学ぶ事です。
人類が高度な文明を築くことが出来た大きな要因
人類が高度な文明を築くことが出来た大きな要因は「記録する術」を得た事です。最初に人類は言葉を手に入れて、集団で外敵に対応する事で万物の霊長となりました。
次に人類は文字を発明し、蓄積した知識を石や粘土、パピルス、そして紙に記すようになります。こうして無数の人類の経験や発見は紙に記録されて蓄積され、図書館のような施設に保管され、時を超えて子孫へ受け継がれ、知識の蓄積の繰り返しが現代文明を築いてきたのです。
江戸時代日本では、260年の太平の間に庶民に至るまでに学問がしたい、新しい事を知りたいという機運が生まれ、本の需要が爆発的に増大しました。そして、増大する本の需要に応えるために、最初は活版印刷、次には木版印刷が登場して貴重だった本の価格を下げ、またニーズに合わせた多くのジャンルの本を生み出します。
民営の図書館、誕生する
そして、それでも本が手に届かない貧しい人々の為に、貸本業や村の名主、庄屋のような蔵書家が村人の熱意に応えて蔵書を開放して貸し出す民営の図書館が数えきれない程誕生したのです。
これは知の開放であり、寺子屋教育の普及で識字率を向上させた庶民の増加と相乗して、日本人全体の知識レベルを引き上げていき、黒船来航後の激動の社会変革を経て、近代資本主義を導入し、国民国家を形成する上で計り知れない貢献をしました。
さて、高度に発達した市民社会を維持するには蓄積された膨大な知識を、出し惜しみする事なく、それを必要とする全ての人々に瞬時に届ける事が出来る仕組みが必要です。しかし、それを全て紙のような資源で達成するのは難しく、ここにデジタル端末の存在意義の1つがあるでしょう。
ほのぼの日本史も、これまで配信し蓄積してきた日本史知識をインターネットを通じて世界中の人々に発信しSDGsの社会を微力ながら推進していきたいと思います。
そこで、その記念すべき第一歩としてほのぼの日本史プレゼンツ『誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化と江戸の私設図書館』を10月2日22:30よりオンラインで開催します。お時間のある方、ほのぼの日本史と一緒に江戸時代の人々の半端ない読書熱に触れてみませんか?