ほのぼの日本史をご覧の皆様、今週もお疲れさまでした。今回のお疲れキャラは前田慶次郎です。今回は、前田慶次も関係ない事はない織田信長と相撲のお話。
信長が相撲好きである事はよく知られています。しかし信長は娯楽で相撲を見ていたわけではありませんでした。信長が相撲に没頭したのは人材登用の為です。相撲は完全な個人の実力の世界なので人間の強さを見極められると思ったのか信長は節目、節目で相撲大会を開きそこで優勝した力士を召し抱えました。
中には鉄砲屋与四郎のように罪を犯して入牢していた人間でも、相撲に勝利したという理由で百石の知行を与え熨斗つきの太刀、脇差、馬具を与えています。逆に考えると信長は、相撲に入れ込んで見せる事で、全国各地の有能な人材を集めやすくしたのかも知れません。
何故なら、相撲は裸一貫ですし、力自慢なら身分の制限はありません。なんの伝手もない貧しい人材が正規ルートで信長に面会するのは大変ですが相撲なら勝ち上がれれば対面できるのです。信長が相撲で取り立てた人材は鉄砲屋与四郎を加えて、鯰江又一郎、青地真右衛門、伴正林、等がいます。
参考文献:酒が語る日本史 河出文庫