鬼平と言えば、池波正太郎の時代小説です。江戸後期の実在する火付盗賊改方長官、長谷川平蔵宣以が主人公で、凶悪な犯罪者には容赦がない鬼ですが、やむを得ない事情で犯罪に手を染めた弱い者達には優しく接し人情味溢れる処置を取ります。
鬼平最大の見せ場
そんな鬼平最大の見せ場といえば、盗賊団に目星をつけて颯爽と馬にのり武装した与力や同心と現場に駆け付けるシーンですがあのシーンは真実なのでしょうか。それとも水戸黄門の印籠みたいに誇張した演出なのか?
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鬼平が馬にのり盗賊団のアジトに乗り込むシーン
鬼平が馬にのり盗賊団のアジトに乗り込むシーン…あれは、事実なのだそうです。火付盗賊改方長官は江戸町奉行とは違い、自ら騎乗して部下を従え市中を見回り、犯罪摘発に勤しんでいたのだそう。
ただ、折角市中に馬で出て、何も無く戻るのは寂しいと考えたのか「御馬先召捕」という奇妙な習慣がありました。これは、長官が馬で出撃する前に同心が怪しい奴を捕らえて待機しておき長官が通りかかると、わざとらしく前に出て行き「おそれながら、ここに怪しい者がおりました」と報告
日本史ライターkawausoの独り言
長官が馬上から「うむ!不埒なやつ、ひっ捕らえい」とやって役宅に引き立てます。火付盗賊改方長官と言っても、全部が全部有能ではなく、また、出世コースにある職でもあるので、少しでも江戸庶民にカッコイイ所を見せたい、出世に有利にしたいそんな心理が働いたのかも知れません。
参考:
歴史と人物9 大江戸24時間 / 中央公論新社 (2022/6/29)
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