日本には姓や苗字が存在する一方で、天皇や皇族には苗字がないのはなぜでしょうか?
この不思議な事実には、深い歴史的背景があります。天皇は「日本国の象徴」として知られていますが、具体的には、天皇には苗字や姓がないこともその象徴の一つです。初代天皇である神武天皇以来、日本の天皇家は「万世一系」の家系を維持してきました。この家系は、一つの家系がずっと続いていることを意味し、そのために姓や苗字を名乗る必要がありません。例えば、現在の天皇である徳仁様は、126代目の天皇にあたります。
天皇家には戸籍が存在しない
天皇家には、通常の家族にあるような戸籍が存在せず、代わりに「皇統譜」という家系図があります。これは、天皇家の歴史を記録する唯一の文書であり、万世一系の象徴です。また、天皇という言葉自体が、7世紀後半に中央集権国家の君主として使われるようになりました。それまでは、日本の君主は「大王」と呼ばれていました。天皇は、古代日本で権力の頂点に立つ存在であり、姓や苗字を授ける側であったため、自身に姓や苗字を持つ必要がなかったのです。
皇族の称号や宮号は、苗字や姓の代わり
皇族の称号や宮号は、苗字や姓の代わりに用いられます。称号は天皇や皇太子の子供に与えられるもので、例えば上皇明仁様はかつて「継宮」と呼ばれ、現天皇徳仁様は「浩宮」と呼ばれていました。宮号は、皇族の男子が独立して生計を立てる際に天皇から贈られる称号です。
以上が天皇と皇族の名前の仕組みと、苗字や姓がない理由です。この独特なシステムは、日本の歴史と文化の深い部分を反映しています。次に天皇や皇族について聞くときは、この豊かな歴史背景を思い出してみてください。
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