江戸時代には300近い藩がありましたが、親藩、譜代、外様というようにランクが存在しました。もちろん下のランクの大名は上のランクの大名に色々譲る必要がありましたが国許にいる限りは自分がトップなので問題はありませんでした。
問題は参勤で江戸にいる時で、これはもう、狭い江戸ではどうしても他藩の大名行列と顔を合わせることになります。当時は左側通行なので、格上の大名と格下の大名が道で出くわすと格下は右側の道を通るのですが、それは衆人環視の中で行われるので格下大名には屈辱です。そこで格下大名がプライドを守る為に取った方法がとにかく格上大名が通りそうな道を避け逃げる事でした。
遭遇さえしなければ、相手に道を譲る必要もなくプライドを傷つけられる事もないからです。ただし家臣たちは大変で、外出となると前もって周辺で情報収集して、近くの大名屋敷を確認して誰も出て来ないか絶えずピリピリしていたそうです。
参考文献:大名格差 江戸三百藩のリアル
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