ガレオンは金食い虫である
ガレオン船が量産されない決定的な理由は、戦国日本は海洋帝国ではなかったという事が挙げられます。ヨーロッパのように、地中海を抑えとおせんぼしているオスマントルコを迂回してアジアと交易しようとする海洋帝国は、是が非でもガレオンを多く建造してお金を稼がないといけません。
しかし、戦国日本は積極的に海外にガレオン船を出して交易で食べて行こうなんて考えていませんでした。交易は基本、待ちの姿勢ですし、それも火薬や鉄砲を得て戦国の生き残り競争で優位に立ちたいという動機からでした。ましてや、徳川の天下が確立した後は、ヨーロッパと強いてまで交易をする必要はなく、ガレオン船は保有していてもお金を稼ぐわけでもない金食い虫になるだけです。
徳川幕府は、元禄時代までは徳川将軍を江戸湾から逃がす為の大型外洋船を持っていたそうですが、5代将軍綱吉が、今頃、幕府転覆もあるまいし費用が掛かるからと船を解体してしまっています。
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戦国時代ライターkawausoの独り言
戦国日本がガレオン船を戦闘に使わなかった理由は、遠洋航海用のガレオンは、浅瀬で戦う日本国内の海戦に向かなかったからです。そして、日本では艦隊同士で大砲を撃ち合うような海戦は国内では起きず、艦砲射撃は、沿岸から城を攻撃する程度でしたので、ガレオン船は不用だったのです。
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