戦国日本はどうしてガレオン船を海戦に使わなかったのか?

03/01/2021


 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

姉妹メディア「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

yuki tabata(田畑 雄貴)おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、姉妹メディア「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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ガレオンは金食い虫である

money(お金・宋銭)

 

ガレオン船が量産されない決定的な理由は、戦国日本は海洋帝国ではなかったという事が挙げられます。ヨーロッパのように、地中海を抑えとおせんぼしているオスマントルコを迂回してアジアと交易しようとする海洋帝国は、是が非でもガレオンを多く建造してお金を稼がないといけません。

にぎわう市(楽市・楽座)

 

しかし、戦国日本は積極的に海外にガレオン船を出して交易で食べて行こうなんて考えていませんでした。交易は基本、待ちの姿勢ですし、それも火薬や鉄砲を得て戦国の生き残り競争で優位に立ちたいという動機からでした。ましてや、徳川の天下が確立した後は、ヨーロッパと強いてまで交易をする必要はなく、ガレオン船は保有していてもお金を稼ぐわけでもない金食い虫になるだけです。

 

Edo-Castle(江戸城)

 

徳川幕府は、元禄(げんろく)時代までは徳川将軍を江戸湾から逃がす為の大型外洋船を持っていたそうですが、5代将軍綱吉が、今頃、幕府転覆(てんぷく)もあるまいし費用が掛かるからと船を解体してしまっています。

 

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戦国時代ライターkawausoの独り言

朝まで三国志2017-77 kawauso

 

戦国日本がガレオン船を戦闘に使わなかった理由は、遠洋航海用のガレオンは、浅瀬で戦う日本国内の海戦に向かなかったからです。そして、日本では艦隊同士で大砲を撃ち合うような海戦は国内では起きず、艦砲射撃は、沿岸から城を攻撃する程度でしたので、ガレオン船は不用だったのです。

 

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カワウソ編集長

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【好きな歴史人物】
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