広告

論功行賞とは?戦国武将の給料査定を分かりやすく解説

03/11/2020


監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

姉妹メディア「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

yuki tabata(田畑 雄貴)おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、姉妹メディア「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


【誤植・誤字脱字の報告】 バナー 誤字脱字 報告 330 x 100



【レポート・論文で引用する場合の留意事項】 ほのぼの日本史レポート引用について



目立ちたがりの大将が叱られる事も…

馬にのり凱旋する将軍モブ

 

一番乗りや一番クビは、部下のモチベーションを上げる重要なイベントです。だから、目立ちたがりの大将クラスが部下より先に敵陣に踏み込んで、一番乗りと一番槍を得てしまうと、部下のモチベーションがガタ落ちする事になりました。

 

このような場合には、大将が部下の手柄を奪ったとして、総大将から処罰される事もあったそうです。一口に論功行賞と言っても、色々とさじ加減があり、勝てばいいという、単純なモノではなかったのです。

 

コミュニケーションも必要

噂話をする戦国時代の庶民

 

いかに一番首や、一番乗りを果たしても、それを見ている味方がいないと無意味です。合戦には目付(めつけ)である軍監(ぐんかん)がいて、その記録を元に手柄が判断されるのですが、軍監が戦場を走り回って、すべての将兵の手柄を確認するのは不可能ですから、どうしても自己申告が中心になります。

 

とは言え、本人以外に手柄を証言できる人がいないのでは、軍監も

「それは誠か?」と疑いの眼を向けてきます。

 

兵士合戦シーン(戦国時代の戦)

 

その為、心得た武士は、必ず仲が良い武士を見つけ、つかず離れずで戦い、お互いに誰が誰の首を獲ったと確認し合いながら戦っていました。こうしておけば、不意に敵に襲われても味方に救ってもらえる可能性が高くなるからです。

 

騎兵の突撃でも、味方を振り切って敵中に突撃するなどと言う事はめったになく、少し先行して、味方がついてきている事をちらちら確認しつつ、戦う事が多かったようです。ちょっとガッカリですが、恩賞が欲しくて戦う戦国武将にとっては、恩賞にならない手柄なんて意味がないのですから、それが当たり前でした。

 

武田騎馬軍団 馬場信春

 

戦国の一匹狼というと、何だかカッコイイですが、そういう人は友達もなく、なかなか手柄も認めてもらえない事になるので、コミュニケーションは大切ですね。

 

戦国時代ライターkawausoの独り言

kawauso

 

今回は、論功行賞について、書いてみました。一番が強調される論功行賞ですが、必ずしも一番だけが評価されたのではなく、敵の有益な情報を掴んだ者や敵を寝返らせた者なども、時と場合によっては、大きな手柄になりました。

 

また、恩賞としては、土地が最も喜ばれましたが、それ以外でも馬や太刀、茶器のようなステータスになるものから、金銭まで幅がありました。著名な戦国大名の場合、手柄を褒めたたえた感状を授けるのも立派な恩賞でした。

 

主を代える時に、感状を見せる事で好待遇で召し抱えられる確率が高くなるからです。命懸けの働きの上で得られた恩賞、そこには戦国武将の悲喜こもごものドラマがあったのでしょうね。

 

参考文献:歴史通 戦国合戦の作法と舞台裏 朝日新聞出版

 

関連記事:陣借りって何?合戦に勝手に参加し活躍する陣借りとは?

関連記事:【麒麟がくる】合戦に参加するには幾らかかったの?

 

上杉謙信特集

 

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
カワウソ編集長

カワウソ編集長

日本史というと中国史や世界史よりチマチマして敵味方が激しく入れ替わるのでとっつきにくいですが、どうしてそうなったか?ポイントをつかむと驚くほどにスイスイと内容が入ってきます、そんなポイントを皆さんにお伝えしますね。日本史を勉強すると、今の政治まで見えてきますよ。
【好きな歴史人物】
勝海舟、西郷隆盛、織田信長

-戦国時代
-