2021年のNHK大河ドラマは渋沢栄一を主人公とした「青天を衝け」です。幕末から明治、大正、昭和までを生きた実業家渋沢栄一の人生にスポットを当てた正に大河ドラマな「「青天を衝け」」ですが、渋沢栄一は政治家でも革命家でもない実業家であり、歴史好き以外の視聴者には馴染みが薄いかも知れません。
そこで今回は「青天を衝け」がどんな内容なのかについて紹介してみたいと思います。
青天を衝けのあらすじ
「青天を衝け」は吉沢亮演じる主人公の渋沢栄一が、幕末から明治への激動の社会を時代の波瀾に翻弄され挫折を味わいつつも、青天を衝くかのように高い志を持ちながら、未来を切り開く物語です。
渋沢栄一は、若い頃は尊王攘夷の志士として倒幕に立ち上がろうとしますが、その途中に徳川慶喜の知遇を得て、幕府代表の随員としてパリ万博に参加する為に渡仏。
世界の広さと産業が発展し世界の工場となった欧州の力強さに衝撃を受け、目を開かされます。そして、欧州に比べ貧しく、ろくな産業もない日本を富ませる為に殖産興業を新興し、日本に生きる誰もが幸福になれるよう奮闘していく事になりました。
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青天を衝けのストーリー
「日本資本主義の父」と称され、新一万円札の顔としても注目を浴びる渋沢栄一は、1840年、武蔵国榛澤郡血洗島村の百姓の家に生まれます。
少年時代から家業である藍玉の製造・販売、養蚕を手伝いながら商才を磨きます。
しかし、尊王攘夷の嵐吹き荒れる中、栄一も江戸に留学して熱烈な攘夷志士となり、過激なテロ行為に走りかけますが、その途中に一橋家の家臣として取り立てられ渡仏し、パリ万国博で欧州の工業力を経験し攘夷の無謀を悟ります。
以後は、殖産興業を通じて国を富ませる事こそが自身の天命だと確信。
維新後は渡仏の経験を買われ、明治新政府に仕官し大蔵官僚になりますが、その後、下野して民間の実業家へと転身しました。渋沢栄一は、幕末から明治、大正、昭和を生き抜き、生涯で約500の企業育成に関わり、女子教育の普及など600もの社会事業にも貢献しています。
また、ドラマタイトルの「青天を衝け」は若い頃の栄一が藍玉を売る為に信州を旅したとき、険しい内山峡で読んだ漢詩の一節「勢衝青天攘臂躋 気穿白雲唾手征」から来ています。
青天を衝けの登場人物
「青天を衝け」の内容については、渋沢栄一が影響を受けるキャストについて挙げると、より具体的になると思うのでここで紹介してみます。
・利根義春
血洗島村を治める岡部藩の代官。
その性格は陰険で非情で横柄、時折、資産家の中の家にやってきては御馳走をたかり、宗助や市郎右衛門に莫大な御用金や人足を要求します。江戸時代の封建制の理不尽を代表するキャラで、渋沢栄一に世の中の理不尽を意識させる役回りになります。
・真田範之助
天然理心流及び北辰一刀流・千葉道場で腕を磨いた剣豪で、各地の道場を巡っては武者修行を続けている人物。尾高の道場に手合わせを挑んできた事をきっかけに栄一達との友情が生まれるそうです。
・大橋訥庵
江戸の儒学者でペリー来航後は攘夷思想に傾倒。思誠塾を開いて尊王攘夷を唱え、多くの塾生に影響を与えました。栄一の従兄の尾高長七郎も塾生の1人で大橋の思想に傾倒。幕府老中安藤信正の暗殺計画を立て手傷は負わせたものの暗殺には失敗します。
首謀者6名はその場で斬殺され、首謀者大橋訥庵は投獄されその後出獄しますが、まもなく毒殺されて死去します。大橋訥庵は渋沢栄一に直接は関わらないですが、従兄の長七郎を通じて影響を与える存在のようです。
・藤田小四郎
水戸藩重臣、藤田東湖の息子が藤田小四郎です。父、東湖が安政の大地震で圧死し、水戸藩が安政の大獄で井伊直弼によりガタガタにされ内部分裂で弱体化した後、生きる意欲を失い江戸の酒場で飲んだくれている時、渋沢栄一に出会って叱責されて発奮。
悲劇的な天狗党の乱の首謀者として、幕末に命を散らす事になりました。藤田小四郎の死を渋沢栄一がどう受け止めるか?この点で渋沢栄一に影響を与えるのでしょうか…
以上は、「青天を衝け」の前半、渋沢栄一がまだ若く、尊王攘夷の志士だった頃に影響を受けた人物です。
青天を衝けの関係図
「青天を衝け」の関係図はやや複雑なので、相関図で解説します。相関図では、イラストのように、渋沢家は中の家、東の家、新屋敷と分家。さらに尾高家とも縁戚になり、合計で4家が序盤に登場します。
渋沢栄一は、中の家の渋沢家の長男で、新屋敷の渋沢家の渋沢喜作とは従兄で親友。尾高家の従兄の尾高惇忠は、栄一に読書の楽しさを教え、また、先に江戸に遊学して尊王攘夷思想を栄一に伝える役割を果たします。
また、尾高家の従妹の千代は栄一の妻になる女性で、従弟の尾高平九郎は、見立て養子です。このように「青天を衝け」の序盤では、栄一は新屋敷の渋沢家、そして縁戚の尾高家との交流が丁寧に描かれていくのだと思います。
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