江戸時代の武士は大抵ボンビーでした。それは、大旗本でも小さな御家人でも変わりません。しかし、それは彼らが贅沢して借金したという事ではなく(もちろん、そういう人もいるのですが…)大半の武士は自分とは関係ない理由で没落しボンビーになっていました。
武士が貧しくなった理由は人件費でした。戦士である武士は、いざ合戦という時には、石高に応じて兵力を出さねばなりません。つまり、石高が大きい武士はそれだけ多くの若党や道具持ち、草履取り馬の口取り、家の門番を雇いますし、自ら炊事する事は体面に関わるので下男や下女も雇わないといけません。この人件費で収入の半分は消えていたのです。
だからって、決められた人員を雇わないとなると幕府に課せられた軍役を放棄した事になり家を取り潰されて浪人になってしまいます。また、武士が支給されていた米は江戸時代に増産に次ぐ増産が繰り返され、時代が下る程に価格が下落していました。武士は米を札差に売り払いお金に替えたので米の値段が落ちるのは、そのまま収入ダウンだったのです。
参考文献:日本人なら知っておきたい江戸の庶民の朝から晩まで
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