時代劇などでは、いわゆるバカ殿や暴君は欠かせない存在です。こういうトラブルメーカーが領民を苦しめ、一方にはバカ殿に歩調を合わせる佞臣が出現しもう一方には藩の存続のため、バカ殿をなんとかしようとする忠臣がいて激しく対立します。
時代劇ではバカ殿や暴君は主人公により切腹に追い込まれるか強制隠居させられるのが定番ですが、史実では、大名にバカ殿や暴君が出ると
どうしていたのでしょうか?
暗君が出現した場合の対策「主君押込」
どうしようもないバカ殿や暴君が出た時に広く採用されていた対策が「大名押し込め」でした。大名押し込めとは、家老以下の藩の重鎮が結託して大名を強制的に藩主の座から引きずり下ろし隠居させる事です。
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幕府は正式に「主君押込」を認めていない
驚くべきことに大名押し込め幕府は正式に認めていませんが、広くおこなわれるようになった経緯から江戸中期には黙認という形で不文法となります。
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大名押し込めのやり方
ただし無用の混乱を避ける名目から大名押し込めは決行する前に、縁戚関係にある大名や藩主の一族に事前通告が必要でした。逆に言うと、こういう人々に根回しが済んでいれば幕府に対しては事後報告で良かったのです。
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幕府の思惑
幕府としては、「あとでトラブルは御免だから根回しはちゃんとしろよ」という事だったのでしょう。江戸時代には藩主個人ではなく藩そのものが親会社と考える藩士が大半でした。バカ殿の不行跡で家がお取り潰しなんてことにならないように
家臣全員で協力しバカ殿を押し込めてマシな藩主を立てようというのは特に珍しくない普通の考えだったのです。
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