一時期、しょうゆ顔、ソース顔、塩顔……という言葉が流行ったように思います。ちょっと調べてみると、どうやらそれ以外にも今では数々の派生があり、中にはマヨネーズ顔やケチャップ顔など、文字だけだとちょっと首を捻ってしまいそうな顔立ちもあるのですね。
そこで今回は顔立ちの中でも縄文顔、弥生顔と言われる顔と、その特徴について話してみたいと思います。貴方の顔立ちはどんな顔でしょうか?
この記事の目次
縄文顔の特徴……彫が深く「濃い」顔立ち
まずは縄文顔の特徴について。縄文顔と言われる顔立ちは、主に彫が深く、目鼻立ちがくっきりとし、顔の形は四角形。眉などの毛も濃いのが特徴です。男性では髭などの体毛の濃さも特徴として挙げられます。
そして髪の毛にも癖があり、やや巻き毛であると言われます。更に気にする女性としてはショックかと思われますが、シミができやすい、多いと言う特徴も挙げられます。
縄文時代と顔立ちの考察
縄文顔の特徴として、分かりやすく言うと「濃い目の顔立ち」だということです。このはっきりとした顔立ちはアイヌ民族との繋がりがあるとも言われてもいます。現代の感覚から言うと、少し外国人めいた顔立ちの方が縄文顔、と言われますね。
また縄文顔の特徴と弥生顔の特徴の違いには、縄文時代と弥生時代の大きな違いが例として挙げられると言われますが、それは弥生顔の特徴を説明してからにしましょう。
こちらもCHECK
-
縄文時代の食べ物とは?縄文的生き方は意外と豊かな食生活だった
続きを見る
弥生顔の特徴
では次に弥生顔の特徴です。まず彫が浅い、目鼻立ちは控えめであり、頬骨が大きく、顔としては面長で、丸みを帯びています。体毛も薄く、顔のパーツは小さめです。すっきりとした顔立ちであるのが弥生顔の特徴と言えますね。
また縄文顔に比べて肌の色も薄いようです。日本の多くは、この弥生顔の特徴を持つ人が多いようです……とは言っても、遺伝子、個人さ、生活環境などもありますので、全てが弥生顔、縄文顔とはっきり分類できる訳でもありません。目鼻立ちはくっきり、でも丸顔、という方もいるでしょう。
こちらもCHECK
-
縄文時代はなぜ終わった?1万年も続いた縄文的生き方の限界
続きを見る
弥生時代と顔立ちの考察
縄文顔と弥生顔の特徴を比較すると、弥生顔の方は「薄めの顔立ち」となると思われます。この弥生顔については「渡来系弥生人」として、元々縄文顔とされる人々が日本に住んでいた中、外から入ってきた人種、と言われています。
また弥生時代の特徴として狩猟から農耕への移り変わりを反映し、生活様式の変化もあって、顔つきが穏やかな弥生顔への顔立ちの変化、進化も影響していったのではないかとも思われます。
こちらもCHECK
-
縄文文化と弥生文化はどう違う?土器や社会構造の違いで分かる古代日本
続きを見る
顔立ちいろいろ、人生いろいろ?
因みに弥生顔は弥生時代の農耕生活様式から、計画的でコツコツと物事に取り組む性格、血液型はA型が多いと言われています。また縄文顔は縄文時代の狩猟生活様式から、行動力があり、活動的であり、リーダーシップを取って行くような逞しい性格で、O型が多い、とも言われています。
ですが性格や行動志向は基本的に個人の個性の範疇であり、あまり血液型がこうだからこの顔!ということははっきりとは言い切れないと思いますね。
こちらもCHECK
-
縄文人は「どんぐり」も食べていた?縄文時代の食文化とは?
続きを見る
顔立ちが好まれる背景と、思想
ここで少し、思想的なお話もしましょう。昔の絵巻物などを見てみると、基本的に出てくる貴族階級、つまり上流階級の人間の顔立ちは弥生顔ですね。これは渡来系弥生人が日本の中枢を抑えて行き、在来であった縄文顔の人々を排斥して言った結果、とも考えられています。
その結果、弥生顔は貴族的であり好ましい顔立ち、逆に縄文顔は好まれず、排斥されるようになっていったのではないか……という思想背景を読み取ることができます。そしてこれは、江戸時代にまで影響を及ぼしているのです。
江戸時代に好まれた「瓜実顔」
江戸時代、多くの浮世絵、美人画が出回りました。美人画の顔立ちは「瓜実顔」と呼ばれるもので、瓜のように面長、すっきりした鼻筋の通った顔立ち、これが美人のスタンダード、とも言える顔です。
もちろんこの顔立ちは弥生顔、当時の日本の美意識に、弥生顔が深く刻まれていたことが分かります。同時に長く鎖国をしていた日本からすると、なじみのない顔立ち、縄文顔というのは、どこか怖く思えたのかもしれません。しかし開国を経て、縄文顔とも言える顔立ちにも見慣れてくると、これはこれでいいじゃないか!ともなってくるのが人間の面白い所。
顔立ちも思想も、そして好みも千差万別で良し、そういう志向が生まれてきた結果ではないかと思います。顔から流れていき、変化していく日本の歴史、面白いですね。
縄文史ひよこライター センのひとりごと
さてソース顔、塩顔、しょうゆ顔と最初に言いましたが、現在では更にちょっと調べただけで、マヨネーズ、ケチャップなど、果てにはもっと別のものに例えて顔立ちを表現した言い方もあるようで。
実に面白いと思いました。これは縄文顔、弥生顔だけでなく、そこに拘らずもっともっと細かく分類されて、人々が「個性」を尊重されていった結果であるように思えてきますね。分類が多様化した結果、個性が尊重されていく、良い傾向ではないかと思います。
最後に関係ない余談ですが、皆さんは目玉焼きに何をかけて食べるのが好きですか?
塩だしょうゆだと見ていたら、ちょっと気になった筆者でした。とろーり。