さて、突然ですがクイズです。時代劇でお馴染みの年貢ですが、年貢の対義語ってご存知ですか?そもそも年貢に対義語なんてあるのか?
って感じですが実はあるのです。
年貢の対義語は官物
年貢の対義語、それは官物です。
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官物とは?
年貢に比較して圧倒的に馴染みがない官物ですが、これは、大和朝廷の出先機関である国衙に納める税金でした。つまり官物とは朝廷に納める税金の意味なのです。
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年貢とは?
じゃあ年貢はなんなのか?年貢とは荘園を実質的に管理している荘園領主に支払う土地の使用料みたいなものです。思い切り分かりやすくすると、固定資産税が官物、家賃が年貢みたいなものですね。
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年貢が幕府や藩に支払う税金の立場に変化した理由
では、どうして後には年貢が幕府や藩に支払う税金の立場に変化したのでしょうか?
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守護や地頭として荘園に食い込んできた事に原因
これは、武士が鎌倉時代以後、守護や地頭として荘園に食い込んできた事に原因があります。武士は持ち前の腕力をちらつかせ荘園領主に対して、「俺が年貢を取り立ててやるから分け前を半分寄こせ」とジャイアニズム満載の提案をします。
これを地頭請けと言い、武士にとって荘園から得る貴重な収入となりました。やがて、南北朝期を経て室町時代、戦国時代に入ると戦国大名が地頭請けの延長で支配地から税金を徴収します。国を支配するようになる戦国大名ですが、税金の名目は朝廷に納める官物ではなく年貢でした。
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徳川幕府も諸藩も地頭請け以来の年貢の呼称を受け継ぐ
やがて誕生した徳川幕府も諸藩も地頭請け以来の年貢の呼称を受け継ぐようになり元々、私的な使用料だった年貢が公的な税となり公的な税だった官物を駆逐してしまったのです。
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