鎌倉時代や戦国時代の映画やドラマでは敵対者が出家する事で助命される事がよくあります。しかし、よく考えると頭を丸めたくらいの事で、なんで警戒心を解くのか不思議でもありますよね?
この辺の事を詳しく書いている書籍にはなかなか出くわさないのですが、色々な事を考えてみると当時は出家すると財産権が放棄され婚姻関係も白紙に戻ったようです。全く無一文の独身状態になり人生がリセットされるんですね。こうなると、いざ再起できるチャンスがあっても当然、自分に財産がないので人に頼るしかありません。
人に頼るという事は手紙なりなんなりを出して人を出家先に近づけないといけないわけです。ならば、敵対勢力を出家させた側は、寺に監視役を置いてその行動を逐一監視していれば監視人が買収でもされない限り、かなりの確率で再起を阻止できるわけです。
鎌倉殿の13人でも頼朝は出家はしなかったものの最初流人で、自分の財産も郎党もなく蜂起にあたっては、縁戚の北条氏を第一に頼るしかありませんでした。この再起に向けて人の手を借りないといけないというのは、かなり致命的でそれゆえに出家が事実上、敵対者の政治生命を絶つ手法として受け入れられ助命が認められたとかわぽんは考えています。
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