皆さんこんばんは、ほのぼの日本史編集長のkawausoです。NHK大河ドラマ鎌倉殿の13人、第18話「壇ノ浦に舞った男」御覧になりましたか?
人間心理の苛烈な描写から鬱大河の呼び声もある鎌倉殿の13人ですが、そこには一応理由があったりします。そこで今回からkawausoが鎌倉殿の民の声を拾い上げ共に憤ったり、泣いたり、解説しながら少しでも鬱展開を解消しようと勝手に思い込んでおります。
心を閉ざした大姫
序盤から鬱展開を引きずる始まり方です。実の父親の命令で最愛の婚約者を殺されてしまった幼い大姫は精神的なショックで完全に心を閉ざしてしまいました。
ここで登場するのが、父と兄と息子を善児に殺されている鬱大河最大の被害者八重さん。義時と結婚し息子が誕生してから雰囲気が柔らかくなった八重さんが、墨で自分の鼻の下にヒゲを描く渾身のギャグを大姫に見せたんですが、面白くなかったのか大姫の心に届かなかったのかノーリアクションでした。
「無理に戸を開こうとすると余計閉じてしまう」という八重さん、以前小四郎に頼朝の恐ろしさを説かれた時「子供の仇を取ってくれた、ありがたい」と心無い事を云った経験が活きてきたのかなと思いました。
あの時は面倒な人と思いましたが、面倒なりに意味があったんでしょうね #鎌倉殿の13人 pic.twitter.com/WJh0lb218T— モハヤ人 (@mohayan) May 8, 2022
確かに八重さんにも、あまりの展開に気が動転し父を殺した頼朝を千鶴丸の仇を討ってくれた人として無理矢理に信じこもうとしていた時期がありましたね。大姫については、あせらず心のケアをしていく必要がありそうです。
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サリエリ 景時
今回も対立しまくっていた義経と景時です。考えてみると、思った事を口にする義経と周囲の空気なんか読まず言うべきことは必ず言う景時が衝突しないわけがないんですよね。
でも景時の素晴らしい点は、皆が義経のウザさを敬遠してナアナアで逃げようとするのをストレス関係なく全力で受け止める事。景時の誠実さに義経も心を許し、私の事を一番わかっているのは平三だと賞賛します。
編集長も鎌倉殿の登場人物では景時が一番好きです。しかし、そんな秀才タイプの景時は、天才義経が頼朝に対抗する勢力になる事を恐れている。まさにアマデウスにおけるモーツァルトとサリエリの関係です。
あと、坂東武者達が平家打倒を果たしたことについても、それを果たした義経への評価についても、概ね関心が薄いのが、この物語が「源平合戦」ではなく「坂東武者たちの物語」であることを明確してましたな。褒美の有無は気になるけど、それ以外はどうでもいいよという塩梅で。#鎌倉殿の13人
— 神無月久音 (@k_hisane) May 8, 2022
景時は義経が天に選ばれた人なら、自分がどれだけ頼朝に讒言しても生き残ると確信しています。そして神に選ばれた人間は並立しない事を悟り、頼朝か義経、どちらかが消える事が天下の為と考えているようです。思考がぶっ飛びすぎています。
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卑怯な戦法で逆転勝利
第18話では、『壇ノ浦の戦い』は18分の尺があったそうです。最初は船の操舵に長けた平家の船団に押されますが、極限まで平家の船を引き付けてから、漕ぎ手を射よと義経は命じます。
正しい坂東武士、畠山重忠は漕ぎ手を射殺するのはルール違反で、末代までの笑いものになると反対しますが、そんなもの笑わせておけばいいと義経は手本とばかりに、矢を引き絞り平家の船の漕ぎ手を射殺。それでも漕ぎ手を射る事を渋る御家人には、矢を向けてまで射る事を強制。結果、平家の船はコントロール不能になり形勢は逆転しました。
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人の心があった義経
勝つためには手段を選ばぬ義経ですが、一方で幼い安徳天皇が侍女に抱かれ海に沈んでいく時には「やめろぉ!」と叫んでいました。安徳天皇ばかりか、三種の神器も海中に没し、勾玉と鏡は回収できたものの、重さがある宝剣は海中に沈んで二度と戻ってきませんでした。大勝利を収めたものの、天皇を守れず宝剣は紛失し、海岸は死屍累々と、およそ爽快感のない壇ノ浦の戦いでした。
安徳天皇の入水に思わず手を合わせるのは、犬猿の仲の畠山重忠とオヒゲの和田義盛。
どちらも一本気でまっすぐな性格なのは似ていますね。ハイテンションで壇ノ浦の戦いに臨んだ義経は、この先、私は誰と戦えばよいのかと血しぶきを浴びた顔で笑います。
八幡大菩薩の化身、軍神と崇められる義経ですが、戦う事以外に才能がない事を知っているわけですね。そして、栄光の頂点から没落が始まります。
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義経がドンドン優しくなる鬼畜脚本
初登場から兎一羽を巡って相手を射殺し、異母兄弟を讒言して鎌倉から追放するなど視聴者にサイコパス扱いだった義経。さすがに、こんなサイコパス頼朝に討たれても、誰も同情しないだろうと思われていた所で、またしても三谷脚本がぶち込んできました。
このドラマ最大のサイコパスは頼朝でも九郎殿でもなく、粛清される直前になってその人の株を爆上げしてくる三谷幸喜殿説#鎌倉殿の13人
— 斎藤利三 (@saito_toshi3) May 8, 2022
人の心がないと思われていた九郎くんが宗盛親子に語り合いの時間を与えるなど人の心を発揮し始めたので鎌倉殿式死亡フラグ(いい奴は死ぬ)が立ってしまいました…(お通夜のような顔)(「源九郎判官義経」と名乗っちゃったか…みたいな目)#鎌倉殿の13人
— ちらいむ (@chilime) May 8, 2022
最初は嫌な奴が、時間の経過と共に美点が見えてきてというのは、最初からよい人よりも親近感が強まりますよね?それを知った上で、あえて死亡フラグが立ったキャラクターの好感度を上げる三谷マジック。これは義経が死んだ後、義経ロスもあり得るかも…
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範頼兄ちゃんも忘れないで…
さて、海に沈んだ宝剣について、坂東武者の大方の反応はこうでした。
「クソ真面目なカバ殿」「見つかるわけねえだろ」とバカにしてた坂東武者共よりも、壇ノ浦に残って必死に宝剣を探すクソ真面目な源範頼殿の方がダントツで男前#鎌倉殿の13人 pic.twitter.com/h9X3pvQphq
— akir (@arien0727) May 8, 2022
坂東武者が京都に帰還しても1人で海に沈んだ宝剣を探している範頼兄ちゃん。
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兄弟の亀裂
次回はいきなりコレですよ。しかも、関わった人間に不幸をもたらす杉本哲太行家まで登場します。
アーーーッ😭#鎌倉殿の13人 pic.twitter.com/qfVmCuNKi5
— 弾正 (@naoejou) May 8, 2022
義経も頼朝の誤解を解く手紙を知盛に代筆してもらった事で、逆に頼朝の不信が深まり鎌倉に入れてもらえないというウッカリ天然ぶりを披露。
さらには義経を讒言し天運を試す気満々のサリエリ景時と、景時の意図を知った上で乗っかっているに違いない大江広元がいて、義経界隈がこじれにこじれそうです。
kawausoの処方箋
いかがでしたか?
鎌倉殿の13人に対する意見は様々でも、コメントからは鎌倉殿の民がドラマを愛している熱量がひしひしと伝わってきましたね。それでは、今回はこの辺で、次回も鎌倉殿の13人の放送終了後にお会いしましょう。
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