鎌倉殿の13人鬱展開解説:第18話「壇ノ浦に舞った男」のネット感想

09/05/2022


忙しい方にざっくり解答01 kawausoさん

 

皆さんこんばんは、ほのぼの日本史編集長のkawausoです。NHK大河ドラマ鎌倉殿の13人、第18話「壇ノ浦に舞った男」御覧になりましたか?

 

源義経の八艘飛び

 

人間心理の苛烈(かれつ)な描写から鬱大河(うつたいが)の呼び声もある鎌倉殿の13人ですが、そこには一応理由があったりします。そこで今回からkawausoが鎌倉殿の民の声を拾い上げ共に憤ったり、泣いたり、解説しながら少しでも鬱展開を解消しようと勝手に思い込んでおります。

 

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

姉妹メディア「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

yuki tabata(田畑 雄貴)おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、姉妹メディア「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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心を閉ざした大姫

大姫 女性 鎌倉

 

序盤から鬱展開を引きずる始まり方です。実の父親の命令で最愛の婚約者を殺されてしまった幼い大姫は精神的なショックで完全に心を閉ざしてしまいました。

 

八重姫(女性) 鎌倉殿の13人

 

ここで登場するのが、父と兄と息子を善児に殺されている鬱大河最大の被害者八重さん。義時と結婚し息子が誕生してから雰囲気が柔らかくなった八重さんが、墨で自分の鼻の下にヒゲを描く渾身(こんしん)のギャグを大姫に見せたんですが、面白くなかったのか大姫の心に届かなかったのかノーリアクションでした。

 

 

 

確かに八重さんにも、あまりの展開に気が動転し父を殺した頼朝を千鶴丸の仇を討ってくれた人として無理矢理に信じこもうとしていた時期がありましたね。大姫については、あせらず心のケアをしていく必要がありそうです。

 

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源頼朝

 

 

 

サリエリ 景時

梶原景時 鎌倉

 

今回も対立しまくっていた義経と景時です。考えてみると、思った事を口にする義経と周囲の空気なんか読まず言うべきことは必ず言う景時が衝突しないわけがないんですよね。

 

早く木曽義仲と戦争をしたい源義経.jpg

 

でも景時の素晴らしい点は、皆が義経のウザさを敬遠してナアナアで逃げようとするのをストレス関係なく全力で受け止める事。景時の誠実さに義経も心を許し、私の事を一番わかっているのは平三だと賞賛します。

 

週刊誌を楽しみにするkawauso様

 

編集長も鎌倉殿の登場人物では景時が一番好きです。しかし、そんな秀才タイプの景時は、天才義経が頼朝に対抗する勢力になる事を恐れている。まさにアマデウスにおけるモーツァルトとサリエリの関係です。

 

 

 

景時は義経が天に選ばれた人なら、自分がどれだけ頼朝に讒言しても生き残ると確信しています。そして神に選ばれた人間は並立しない事を悟り、頼朝か義経、どちらかが消える事が天下の為と考えているようです。思考がぶっ飛びすぎています。

 

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はじめての鎌倉時代

 

 

卑怯な戦法で逆転勝利

だまし討ちで無駄に相手を射殺する源義経

 

第18話では、『壇ノ浦の戦い』は18分の尺があったそうです。最初は船の操舵に長けた平家の船団に押されますが、極限まで平家の船を引き付けてから、漕ぎ手を射よと義経は命じます。

 

畠山重忠

 

正しい坂東武士、畠山重忠(はたけやまのしげただ)は漕ぎ手を射殺するのはルール違反で、末代までの笑いものになると反対しますが、そんなもの笑わせておけばいいと義経は手本とばかりに、矢を引き絞り平家の船の漕ぎ手を射殺。それでも漕ぎ手を射る事を渋る御家人には、矢を向けてまで射る事を強制。結果、平家の船はコントロール不能になり形勢は逆転しました。

 

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人の心があった義経

粗暴と純粋が混在したような源義経

 

勝つためには手段を選ばぬ義経ですが、一方で幼い安徳天皇が侍女に抱かれ海に沈んでいく時には「やめろぉ!」と叫んでいました。安徳天皇ばかりか、三種の神器も海中に没し、勾玉と鏡は回収できたものの、重さがある宝剣は海中に沈んで二度と戻ってきませんでした。大勝利を収めたものの、天皇を守れず宝剣は紛失し、海岸は死屍累々と、およそ爽快感のない壇ノ浦の戦いでした。

 

 

安徳天皇の入水に思わず手を合わせるのは、犬猿の仲の畠山重忠とオヒゲの和田義盛

 

和田義盛 鎌倉殿の13人 武士

 

どちらも一本気でまっすぐな性格なのは似ていますね。ハイテンションで壇ノ浦の戦いに臨んだ義経は、この先、私は誰と戦えばよいのかと血しぶきを浴びた顔で笑います。

 

源義経 鎌倉時代

 

八幡大菩薩の化身、軍神と崇められる義経ですが、戦う事以外に才能がない事を知っているわけですね。そして、栄光の頂点から没落が始まります。

 

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義経がドンドン優しくなる鬼畜脚本

だまし討ちで無駄に相手を射殺する源義経

 

初登場から兎一羽を巡って相手を射殺し、異母兄弟を讒言して鎌倉から追放するなど視聴者にサイコパス扱いだった義経。さすがに、こんなサイコパス頼朝に討たれても、誰も同情しないだろうと思われていた所で、またしても三谷脚本がぶち込んできました。

 

 

 

最初は嫌な奴が、時間の経過と共に美点が見えてきてというのは、最初からよい人よりも親近感が強まりますよね?それを知った上で、あえて死亡フラグが立ったキャラクターの好感度を上げる三谷マジック。これは義経が死んだ後、義経ロスもあり得るかも…

 

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源義経

 

範頼兄ちゃんも忘れないで…

胴上げ後に地面に落とされる頼朝

 

さて、海に沈んだ宝剣について、坂東武者の大方の反応はこうでした。

 

 

 

坂東武者が京都に帰還しても1人で海に沈んだ宝剣を探している範頼兄ちゃん。

 

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北条義時

 

 

 

兄弟の亀裂

激怒した頼朝、義経討伐を命じる

 

次回はいきなりコレですよ。しかも、関わった人間に不幸をもたらす杉本哲太行家まで登場します。

 

 

義経も頼朝の誤解を解く手紙を知盛に代筆してもらった事で、逆に頼朝の不信が深まり鎌倉に入れてもらえないというウッカリ天然ぶりを披露。

 

鎌倉を出禁される源義経

 

さらには義経を讒言し天運を試す気満々のサリエリ景時と、景時の意図を知った上で乗っかっているに違いない大江広元がいて、義経界隈がこじれにこじれそうです。

 

鎌倉殿の13人

 

 

kawausoの処方箋

朝まで三国志2017-77 kawauso

 

いかがでしたか?

 

鎌倉殿の13人に対する意見は様々でも、コメントからは鎌倉殿の民がドラマを愛している熱量がひしひしと伝わってきましたね。それでは、今回はこの辺で、次回も鎌倉殿の13人の放送終了後にお会いしましょう。

 

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はじめての平安時代

 

 

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カワウソ編集長

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