梶原景時は鎌倉幕府創設に大きく貢献した人物で、かつて平家側だったころ、源頼朝の命を救ったことで知られています。また、源義経と対立した人物だったことも有名ですね。
そんな鎌倉幕府初期を語るうえでの重要人物の梶原景時ですが、今回の記事ではそんな梶原景時を知るために彼の「ゆかりの地」を探ってみようと思います。
この記事の目次
梶原景時とは?
梶原景時は「後三年の役」で「源義家」とともに戦った「鎌倉景正」を祖先としています。梶原氏は元々源氏に仕えていましたが、「平治の乱」で没落したのちは平家に仕えることになりました。
そして挙兵した頼朝とも戦い、彼を洞窟まで追い込みます。しかし、景時は頼朝を見逃し、のちに源氏に戦いで敗れた後は源氏とともに平家打倒に力を尽くします。
源義経とは仲が悪かったようですが、共に平家を滅ぼし、鎌倉幕府成立後はその重要人物として組織で重きをなしました。しかし、最終的には謀反の疑いをかけられ息子らと共に討たれてしまうのです。次の項目から景時のゆかりの地をめぐりましょう。
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広大な館を建てていた景時「梶原景時一之宮館跡」
神奈川県寒川町には梶原景時が建てたと言われる「一之宮館」の跡があります。その広さはなんと2800平米もあったようで、当時の景時の権力を感じさせますね。
「一之宮小入口歩道橋」わきに「天満宮」があり、その周辺が屋敷の跡地と言われています。天満宮から少し歩いたところにある「薬師堂」には館の案内図があります。また、一之宮で梶原景時とともに戦った7人の家臣を祀る「梶原七氏の墓」もあります。
【所在地】
〒253-0111 神奈川県高座郡寒川町一之宮8丁目6−6
【アクセス】
一之宮小入り口歩道橋そば
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景時が血まみれの刀を拭った「太刀洗」
景時は頼朝の密命を受け、一緒に双六に興じる最中に「上総介広常」を太刀で切り殺します。広常は鎌倉幕府で大きな力を持っており、頼朝にとって目障りでしたので、謀反の疑いで景時に殺させたと言われています。
「金沢街道」を上り、小さな石段を下りると、静かな場所に水場はあります。そこが景時が広常を斬った後に太刀を拭ったという「太刀洗」です。とても静かな場所で、景時がこっそり太刀を洗ったことが想像できる場所です。
【アクセス】
京浜急行バス「鎌倉霊園正面前太刀洗」下車、徒歩数分
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鎌倉での景時の住まい「梶原景時邸跡」
「一之宮」は景時の本拠地ですが、政務を行うために鎌倉にも屋敷を構えていました。それが「梶原景時邸跡」です。「明王院」手前の路地を入ったところにあり、そこには小さな井戸がありますが、こちらは「梶原井戸」と言われています。
【アクセス】
鎌倉駅から金沢八景・大刀洗行バスで「泉水橋」へ、下車徒歩10分ほど
梶原景時は神社も建てていた「御霊神社」
先述した通り、景正の祖先は「鎌倉景正」ですが、彼を祀るためにこの神社を創建したそうです。後に景時自身も祀られ、江戸時代までは梶原景時の木像もあったようです。その神社の西側には小さな櫓と五輪塔があり、そこは景時とその一族の供養のために建てられたようです。
【所在地】
鎌倉市梶原1-12-27
【アクセス】
湘南モノレール「湖南深沢駅」より徒歩6分
梶原景時、駿河で散る「梶原景時終焉の地」
梶原景時は絶大な権力をふるっていましたが、あまり人望が無かったらしく、多くの御家人の連判で弾劾状が出されます。そして鎌倉を追放された梶原一族は京都に向かう途中の駿河国で襲撃され、景時は自害、息子たちも戦死するか自害してしまうのです。
その自害した場所は後に「梶原山」と言われ、現在は「梶原景時終焉の地」として碑が建てられています。梶原山は「梶原山公園」として整備されており、東には富士山が見える、大変眺めがいい場所となっています。
【所在地】
〒420-0903
静岡県葵区長尾1134-102
【アクセス】
JR静岡駅前から竜爪山線瀬名新田行、瀬名リンク西奈前下車
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日本史ライターみうらの独り言
梶原景時は絶大な権力を持っていましたが、最期は討たれてしまいました。そのせいか、「ゆかりの地」も少し物悲しい場所が多い感じがします。しかし、梶原氏の本拠地があった「寒川町」では「梶原景時のゆかりの地を巡るツアー」が開催され、好評だったようです。
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