江戸時代の農民というと、年がら年中働いていて、お休みといえば、正月と盆くらいというイメージです。しかし、実際は江戸後期にもなると農民たちの休日は増加し1年間で80日に到達する事もありました。
農民が仕事をサボるため藩や幕府が対策を練る
藩や幕府は、農民が農作業をサボって年貢収入が減る事を恐れ、決められた日以外は休みませんとする誓約書を頻繁に出させていますが
あまり効果はありませんでした。しかし、どうして江戸後期になると農民の休みが増えるのでしょうか?
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日本は史上空前の大開墾時代
江戸時代、初期から中期にかけて日本は史上空前の大開墾時代を迎えていました。当時は開墾した土地は、数年間年貢免除などの特典もあったので過剰な開墾が行われ、山野を斬り倒して無理に耕地を広げた結果、山の保水力が低下し、水害が頻発するなどしました。
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大開墾時代の限界
大開墾時代は江戸時代が始まって100年が経過すると限界に到達。農民は年貢を払い、自分が食べる分の農作物を差し引いても穀物が余るようになり、農地を細かく使用して換金作物を栽培し鰯油などの肥料を施して収穫量を増大させたりしました。
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狭い土地で生産力を向上
こうして、狭い土地に多くの労働力を投下して生産力を上げるという土地の利用法が定着した江戸後期ですがこれは、それまでの漫然と田畑を耕し米を作ればいい時代よりも時間も精神力も使うしんどい作業でした。
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農民の休日が増えた理由
そこで、骨休めと気晴らしがどうしても必要となり村の様々な行事にかこつけて、農民は休日を増やしていくようになります。懸命に働いたら休むというメリハリの利いた生活スタイルが江戸後期には誕生していたんですね。
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