負け犬のリベンジ!大坂夏の陣に豊臣方で参戦した浪人たち最後の戦い

03/11/2023


 

コメントできるようになりました 織田信長

 

真田信繁

 

 

戦国時代の最期を飾る激戦、大坂の陣は同時に、戦国で勝ち組になった戦国大名たちと、敗れ去って浪人に身を落とした負け組武将との生き残りをかけたラストウォーでした。では没落していく豊臣に最後の望みを賭けた浪人たちには、どのような人々がいたのでしょうか?

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

姉妹メディア「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

yuki tabata(田畑 雄貴)おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、姉妹メディア「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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覚悟の六文銭、真田信繁

真田信繁

 

 

では、大坂の陣に身を投じた負け犬浪人たちを紹介しましょう。一番有名なのは、真田信繁で、元々は信州上田に領地を持っていた国衆でしたが、関ケ原の戦いで父の昌幸と共に西軍に味方し、領地を奪われて九度山に幽閉されます。幽閉生活は過酷で、その中で父の昌幸も死去しますが、大阪の陣では大野治長の誘いを受けて幽閉を抜け出し参戦します。幽閉生活では苦労が多かったようで、髪も白髪になり歯も抜け落ちて実年齢よりも老けてみえたようです。

 

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食う為に参戦!後藤又兵衛

黒田官兵衛に仕える後藤又兵衛

 

 

後藤又兵衛も追い込まれた「負け犬浪人」として有名です。又兵衛は大大名の黒田家に仕えていましたが、慶長11年に黒田長政と確執を起こして出奔します。本来なら又兵衛ほどの武勇があれば、どの大名家でも引く手あまたなのですが、長政は個人的にも又兵衛を恨み、奉公構(ほうこうかまい)を出して、長政が他家に仕官しようとするとことごとく妨害しました。いよいよ生活に困った又兵衛は、別に豊臣に忠誠心があったわけでもありませんが、仕方なく大坂城に入ります。ただ、豊臣に仕官した後は、人望を集め大坂の陣の中心的な人物になりました。

 

 

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山内一豊の恩義を捨て参戦、毛利勝永

毛利良勝

 

 

毛利勝永は尾張国で産まれ、羽柴秀吉に仕えて出世し、九州征伐や朝鮮出兵で手柄を立て、豊前国小倉に1万石の領地を持っていました。秀吉の死後に形見分けで一文字貞真(いちもんじさだざね)を与えられるほど信頼されていましたが、関ケ原の戦いでは石田三成に味方し領地を失います。その後は福島正則に預けられ、次に山内一豊に預けられますが、山内氏では千石の扶持を貰って厚遇されていました。しかし、大坂の陣が起こるとほぼ、山内氏を裏切る形で土佐を脱出し、最後のチャンスに賭けています。身勝手と言えば身勝手ですが、秀吉から形見分けをされるくらいですから、豊臣への忠義は厚かったようです。

 

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親の因果で改易 石川康勝

爆死する松永久秀

 

 

石川康勝は、徳川家康の宿老で後に秀吉に寝返った石川数正の次男です。関ケ原の戦いでは兄と共に東軍に属し、徳川秀忠の軍勢に参加して上田城攻めに従軍し関ケ原の戦いには参加していません。これで勝ち組に残ったかに見えた康勝ですが、兄の康長が領地隠匿の罪で信濃松本藩を改易。康勝も兄弟と言う事で連座して改易されました。康勝は豊臣秀頼とも親しかったので、リストラされた石川家臣団を率いて大坂冬の陣に参加します。しかし、この康勝、真田丸の背後にあった火薬庫を不注意で爆破させてしまい火傷を負います。ところが、これが怪我の功名、徳川方はこの爆発を南条元忠の内応の合図と勘違いして真田丸に突撃。真田信繁に散々に打ち破られました。

 

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名門長曾我部氏のプリンス 長曾我部盛親

長曾我部元親(長宗我部元親)鳥なき島のコウモリ

 

長曾我部盛親(ちょうそかべもりちか)は、四国を統一した長曾我部元親の四男です。本来は家督を継ぐハズだった元親の嫡男、信親(のぶちか)が九州征伐で戦死したため、元親により後継者に指名されました。しかし、次男、三男を飛ばしての盛親への家督継承は内紛を引き起こし、関ケ原では西軍に味方して敗北。その後も、家督継承に異を唱える兄の津野親忠(つのちかただ)を殺すなどして家康の心証を損ね改易となり、家臣はバラバラになりました。その後も盛親は、お家再興を諦めず、寺子屋の師匠をしながら猟官運動をしていましたが、大坂の陣が起きると一発逆転を目指して、大坂城に入ります。この時、盛親は長曾我部の旧臣、1000人を率いていたようで、なんだかんだ人望はあったようです。

 

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キリシタン浪人、明石全登

高山右近(キリシタン大名)

 

 

明石全登(あかしてるずみ)は、豊臣政権の五大老、宇喜多秀家の重臣でした。特に宇喜多騒動で宇喜多氏を支えた三老が出奔(しゅっぽん)すると、替わって宇喜多氏の家政を切り盛りしています。明石は主君の秀家と共に関ケ原では、三成の西軍につき敗北。秀家は八丈島へ流罪となりますが、明石はキリシタンであったため、同じくキリシタンだった黒田官兵衛の弟、黒田直之を頼りますが、1609年に直之が死去すると姿を消します。大坂の陣では豊臣方の招きを受けて、4000人もの兵力を引き連れて大坂城に入りますが、この4000人はキリシタンであり、キリシタン部隊を編成して戦ったそうです。

 

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自由気ままな浪人、塙団右衛門

鳥居強右衛門

 

 

塙団右衛門(ばんだんえもん)は、豊臣政権下で賤ヶ岳七本槍の1人であった加藤嘉明(かとうよしあき)に仕え鉄砲足軽の大将まで昇進しましたが、関ケ原の戦いで度々命令違反をした事で咎められ、逆ギレして出奔。その後は大名に仕えては出奔を繰り返し、大坂の陣で大坂方に入りました。大坂冬の陣では夜襲を成功させ、夜討ちの大将塙団右衛門と書いた木札をばら撒いて自分の才能をPRしたそうで、加藤嘉明と喧嘩したのも、自分の指揮の才能を嘉明が認めなかったからであるようです。

 

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戦国時代ライターkawausoの独り言

kawauso編集長

 

 

大坂の陣に参加した浪人たちは、全て関ケ原の負け組かと思えば、そうでもなく、出奔したり、理不尽な理由で改易されたり、理由も様々である事が分かります。しかし、全員が、ここで負けたら、もう徳川の世は盤石で、二度と浮上できないという危機意識は持っていた感じですね。

 

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日本史というと中国史や世界史よりチマチマして敵味方が激しく入れ替わるのでとっつきにくいですが、どうしてそうなったか?ポイントをつかむと驚くほどにスイスイと内容が入ってきます、そんなポイントを皆さんにお伝えしますね。日本史を勉強すると、今の政治まで見えてきますよ。
【好きな歴史人物】
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